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ルンルン気分で行ってみよう。

手術からひと月経ち、傷のところも馴染んできた感じだし、突っ張る時もあるけれど、腕もよく動いていると思う。
転んで怪我をしたときの膝のカサブタはいつまでもウジウジ治らないこともあるのに、こういった身体の回復の速さには驚かされる。

◇ ◇ ◇

お正月休みも、気づけばあっという間に過ぎてしまった。
暮れは紅白も観ずに、ただのんびりとお蕎麦など食べながら大晦日を過ごした。紅白を観ないとこんなにのんびり過ごせるのか、新たな発見!と驚いたくらい。
翌日は母と二人、簡単にお節とお雑煮を用意し、新年を祝った。

お休みの間、母と私の誕生日祝い、友人とピンポイントでランチができたりしたのは良かった。
母と私は二人とも松の内の生まれで、しかも一日違い。この歳まで母がいてくれていること自体にも感謝であるが、毎年一日違いで互いの誕生日を祝えることの幸せをこの歳になって感じている。(ちなみに、兄と亡父の誕生日も同じ一月で、こちらは中旬の二日違い)
友人とのランチは、一人がインフルエンザに罹ってしまい、急遽、友人夫妻(ご主人とは結婚パーティ以来の再会!)と私、という珍しいメンバー。来られなかった友人は残念だったけれど、これはこれで新鮮だった。
治療の間も手術前後にもたくさん気にかけてくれていたことの感謝をきちんと伝えられただろうか。たくさん話して、ただ笑って美味しいランチタイムを過ごしてしまったかもしれないが、楽しい時間だった。

◇ ◇ ◇

年末から少し長めに実家で過ごしたお正月も終わり、いよいよ今週から新しい薬が始まる。

12月最後に病理結果を聞いた後は、さすがに一週間ばかりは少し落ち込んでしまったが、結局のところ、出てしまった結果を変えられる訳でもないし、今ある悪いところは全部取ったのだし、現代医学で受けられる治療は全て受け、やるべきことはやっているのだしと、気に病んでも仕方ないんだなと、そう思えるようになった。
そして、自分の気持ちを立て直すのもコントロールするのも、自分自身以外にいないのだということも。

残りの治療期間は約半年。
2週間投薬・1週休薬の3週間の投薬が8クール。これと3週間ごとのキイトルーダ9回がセットになる。
「残りの治療」と書いたけれど、これが今回の自分の治療の「最後の治療」だ。

「最後の治療」。
「最後の治療」なんだと認識したら、なんだかこの時間がとても貴重?重要?大切?なものなのではないかと思えてきた。
そして、この「最後の治療」が終われば、以前の生活が戻ってくるということでもあるのだと、急に “治療の終わり” を実感した。
(これは実際は “追加の治療” で、今までの治療の方こそメインの治療だったのだから、初めから大事に思いなさいよ、なのだけど。ほんとにお尻に火がつかないと感じられないタイプだと再認識)

思い返せば、物心ついた頃から、“喜んで” 薬を飲んだことがあっただろうか?
当然ながら、小さい頃は苦い薬が苦手だったし、変に甘い味の付けられた水薬も嫌いで、犬に薬を飲ませるときと同じように、騙し騙し飲まされていた。
大きくなってからも、化学的に作られたものを敢えて身体に入れることへの抵抗感があり、サプリも特に飲んだりもせず、薬は、頭痛がひどいから・風邪が治らないから・便秘がつらいから、ただ ”仕方なく” 飲むものだった。

「最後の治療」。
どうせなら、生まれて初めて、ルンルン気分で飲んでみようではないか、とふと考えた。
副作用が思いのほか強く出て、そんなことも言っていられなくなってしまうかもしれないけれど、人生初めてのがん体験の最後の治療なのだから、それくらいの気持ちで行ってみようではないかと。笑

投薬期間中は手足に負担のかかるような運動もあまりしない方がいいらしく、制約事項もあるようだが、もうひと頑張りの最後の治療もあと半年。
元気なもとの生活に戻ることが楽しみだ。早く戻って、少しでも恩返しができるようになりたい。
最後の半年、ルンルン気分で行ってみよう。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇

noteの皆様、
昨年はnoteの多くの投稿やいただいた励ましに助けられました。
ありがとうございました。
2024年もどうぞよろしくお願いいたします。
穏やかな一年でありますよう。

最後に。
石川県能登の被災された皆様、
 私にできることはほぼないかもしれないけれど、ただただお祈り申し上げます。
そして、復旧活動に励まれている方々も、どうぞ怪我などされませんよう。
みんなの祈りが届きますように。

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