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台湾旅行2日目(前編)

シャワーの音で目覚めてみると、昨日寝た体勢でずっと眠っていたらしい。どういう姿かというと、涅槃仏のように右手を枕として、頭を支える姿である。同じ部屋だったMsのオーナーのM氏によるとずっとそのまま動かずに、寝返りすることなく同じ体勢で眠っていたとのこと。病み上がりでいきなり旅行に来たものだから疲れていたのかもしれない。自分では全く気付かなかった。
私もシャワーを浴びてロビーに行ってみると朝食の準備ができていた。朝食は宿泊料に含まれていて、バイキング形式で好きなものを好きなだけ食べられる。普段は朝食を食べない私だが、旅行に来ると朝食を食べてしまうのはなぜだろう?
今日の観光の目玉は、午前中の故宮博物院である。軽く朝食を取った後、全員がロビーに集まった。とりあえず故宮博物院に行く前に台北の朝市を見ようということになって、地下鉄淡水線の双連駅近くの朝市に行った。
朝市では台北の朝の台所なのだろう、様々な食べ物が売っていたが、私はもちろん買い物はしない。朝市での買い物が終わったあとはPちゃんが欲しがっていた漢方薬を探しに漢方薬屋が集まった街までタクシーで行った。いろいろな漢方薬屋で聞いてみたのだが、Pちゃんが欲しがっていた漢方薬はないと言われた。そこは漢方薬屋の他にカラスミなど珍味が売っているところで有名なのだが、物価の安い台北でもやっぱりカラスミは高かった。仕方がなく後戻りすることに。
朝の用事を済ませた我々はいよいよ故宮博物院へ向かう。タクシーで先ほどの双連駅まで戻り、淡水線に乗って士林駅で下車した。そこでタクシー2台に分乗して走ること20分。故宮博物院に到着である。
国立故宮博物院は、中華民国の最大の国立博物館で、696,000個以上の古代の中国の人工品および美術品を所蔵している。ほとんどの収集物は中国の古代の皇帝によって集められた高品質なものである。 
故宮博物院は日曜日だったこともあり人でいっぱいだった。台湾各地からやって来た修学旅行生と思われる学生さんの団体の姿も見える。我々は、待ち合せ時間を決めた後、それぞれ見学することになった。私はMsの常連PちゃんとTちゃんの3人で3階から見ることにした。階段で3階に上がってみると既に見学者の長い列が出来ていた。実はこの故宮博物院の秘宝は3階にある。例えば、清朝期のどうやって作ったのかわからない彫橄欖核舟や翡翠で本物の白菜そっくりに作った翠玉白菜などなど・・・
3階で時間を大幅に費やしたので2階、1階はかなりスピードを上げて見て回った。一つ一つの作品をじっくり見て回るにはまる一日以上かかるだろう。それでも展示されているのは全宝物のごく一部である。その膨大な宝物には圧倒された。
待ち合わせ場所の1階ロビーに戻ってみるとみんな待ちわびていた。特に故宮には何回も来ているY子さんは退屈していたようだ。みんな揃ったところでインフォメーションに行ってタクシーを頼み、また士林駅に戻ることになった。午後からは「台北の原宿」あるいは「台湾の渋谷」、「台湾の秋葉原」などと呼ばれ、台湾のファッション・サブカルチャー・オタク文化の発信源ともなっている西門町に向かう。
我々はまず地下鉄淡水線で台北駅まで行き、そこで板橋線に乗り換えて一駅目の西門で地下鉄を降りた。駅を出ると、まるで渋谷駅ハチ公口界隈を一回り小さくしたような風景に出会う。その中に渋谷の109のようなファッションビル「誠品116」があった。「誠品116」は台湾で有名な誠品書店が経営するビルで、美容院やカフェ、レストランなどのほか、日本の書籍、雑誌、CD、フィギュアや洋服などを売る店が多い。「誠品116」のほか、万年商業大楼、獅子林広場、万国百貨など若者の集まる店が集積したファッションビルが立ち並んでいて、ストリートでは路上で歌う若者やいろんなパフォーマンスをやっている若者など、このあたりはどこの国も変わらない。
西門町でも待ち合わせ場所と時間を決めて我々はバラバラになった。他のメンバーは買い物に行きたそうだったが、私は買い物には興味ない。一軒のオタクショップに入ってみたのだが、台湾のアイドルのポスターやブロマイドなどが並んでいて私にはさっぱり興味が持てなかった。そこで、セブンイレブンで台湾ビールを4本買って通りを通り過ぎる人々の観察をすることにした。通りを行き交う人はカップルや学生のグループが多い。オタクショップや衣料品店などのほかにパソコンやスマホを扱っている電気屋も何軒もあって、まあ、このあたりは台湾の秋葉原だ。
 時間になったので待ち合わせ場所に行き、全員が揃ったところで台北駅に台湾の新幹線を見に行くことになった。ホームに行くのに入場料がいるというので私は駅の中の広場で待つことに。見てきたメンバーに言わせると、日本の新幹線にそっくりだそう。それもそのはず、台湾の新幹線は日本の新幹線の技術が用いられているからだ。新幹線の見学を終えた我々はナイトツアーに備えてタクシーで一路ホテルへ向かった。

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