お赤飯

将棋とは全く無縁だったが2017年の藤井聡太ブームとABEMA TVで視聴機会が増えた…

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将棋とは全く無縁だったが2017年の藤井聡太ブームとABEMA TVで視聴機会が増えた事により関心を持つ。中でも豊島将之九段の物静かな佇まいとは裏腹な切れ味鋭く大胆な将棋や弛まぬ努力を続ける姿に心酔している。豊島将之先生に関する記事を書いていきたい。

最近の記事

第82期名人戦第1局 ホテル椿山荘東京前夜祭レポ

3年越しの夢 私が将棋棋士の豊島将之先生を応援するようになって約3年。とても印象に残っているシーンがある。 囲碁・将棋チャンネルの番組「第27期銀河 豊島将之の素顔」で、先生がオーダーメイドスーツを採寸される様子を密着取材していた。 仕立て上がったスーツに袖を通した瞬間、それはまるで生き物のように、豊島先生の背筋に吸い付くように馴染み、肩から背中にかけて無駄のないシャープなラインの美しさがより一層際立ってみえた。 当代の名人という自信と誇り、目には見えない煌めきを纏った、

    • 再び、名人戦の舞台へ〜第82期挑戦者決定 豊島将之九段〜

      名人戦第0局 浮月楼にて挑戦者決定の瞬間 2024年2月29日。名人戦挑戦者を決めるA級順位戦の最終一斉対局が静岡市の浮月楼で行われた。 先手菅井竜也八段 対 後手豊島将之九段の対局は、豊島九段が勝てば豊島九段の挑戦決定、菅井八段が勝てば豊島九段と菅井八段の2者または永瀬拓矢九段を含む3者で挑戦者決定プレーオフへともつれ込む大一番だ。 中盤は双方の思惑を潰し合ういわば“捻り合い”が続く。若干菅井有利という形勢でも、決して大きく崩れない、決め手を与えない豊島九段の巧妙な受

      • 観る将、入門講座へ行く 将棋フェスティバルIN野々市

        甘い誘い文句①入場無料・観るだけなら… 地方住みの観る将(将棋を指せないけど見て楽しむファン)にとって、リアルイベントに参加するのはなかなかハードルが高い。東西の将棋会館や参宮橋の駒テラスで頻繁に行われているものの、さあ地方から遠征となると、交通費、宿泊費でウン万円コースだ。 ましてや指すイベント(指導対局や大会出場)は、余程ドM気質⁈でも無い限り、貴重な諭吉様数枚と引き換えに間違いなく大恥をかくのが目に見えているのだから、どうしたって及び腰になるのは当然の事だ。 しか

        • 第82期A級順位戦 最終一斉対局「将棋界の1番長い日」展望

          今年も熱く長い1日になること必至 8つある将棋タイトル戦の中で最も長い歴史を誇る名人戦。名人の称号を得ると竜王と並び序列最高位となり、段位免状にもその直筆署名が入り、文字通り将棋界の顔ともいえる存在だ。 そして名人戦への挑戦者を決めるA級順位戦は、6月から10人総当たりのリーグ戦を戦い、最終9回戦の一斉対局は今年も徳川慶喜公の屋敷跡として由緒のある静岡市・浮月楼で2月29日に開催される。 今年のA級順位戦は例年になく混戦模様で、8回戦が終了した時点でまだ挑戦者も降級者も決

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          第17回朝日杯将棋オープン戦名古屋対局 1月13日レポ

          3年連続の対局室観戦 2024年1月13日。2022年の第15回から3年連続の皆勤賞で朝日杯将棋オープン戦名古屋対局を観戦することができた。名古屋対局ではお馴染みだった柵木幹太三段が記録係を卒業し、めでたくプロ入りされたことでステージの景色も違って見える。 この日は豊島将之九段、翌日14日に藤井聡太八冠と地元愛知県出身の先生が出場される事からも、全国から両先生ファンの方はもちろん、地元で縁の深い方もたくさん集結する。 ABEMA地域対抗戦では中部地区でエントリーされ、地元

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          棋士とグルメとクリスマス〜SUNTORY将棋オールスター東西対抗戦2023前夜祭レポ〜

          舞い降りた幸運のチケット 2023年12月23日。東京・港区元赤坂の明治記念館2階富士の間で、ほろ酔い気分の私は最高に幸せを感じていた。 昨年に続きご縁を頂き、SUNTORY将棋オールスターの前夜祭に参加する事が出来たからだ。 多忙だった1年の締め括りに、大好きな将棋の先生方とクリスマスパーティーができる。ファンにとってこんなに嬉しい事は無い。運良く参加させて頂けた幸運に感謝して、レポートで雰囲気をお伝えしたい。 女性率9割以上の華やかさ 大盤解説会では一般的に男女の

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          推しの必勝祈願 初めての百度参りやってみた

          ついに訪れた絶好のタイミング 2023年も残り2週間。将棋の応援(推し活)を通して今年もあちこちへ出かけ、たくさんの思い出ができた。 必勝祈願も推し活の一つとして、私が初めて百度参りした時の事をレポートにまとめたので、お時間が許せばお読み頂けたら嬉しい。 百度参りという言葉を聞いて、正しく知っているというかたは少ないだろう。 何しろ時代はDX(デジタルトランスフォーメーション。情報技術で生活を豊かに変革する)、タイパ(タイムパフォーマンス。様々な時短方法で効率化する)が

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          第13期加古川青流戦 第2局観戦レポ(大盤解説会〜表彰式)

          ※第1局レポはこちら 野生の将棋棋士⁈ 2023年11月5日、加古川青流戦第2局の朝は加古川のホテルで迎えた。今日は“先着順200人”の大盤解説会だ。前日の第1局で、入場無料なうえに棋士8名が次々と解説してくださる幸せに味を占め、何としても絶対に参加したいと、美味しい朝食もそこそこに8時半にはホテルを飛び出した。 この日は羽生善治会長もお越しになるとあって、到着した8時40分過ぎには熱心なファン50人ほどの待機列が出来ていた。 最後尾に付こうと周囲を見渡すと、あれ?ど

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          第13期加古川青流戦 第1局観戦レポ(対局観戦〜大盤解説会)

          念願の「棋士のまち加古川」へ ABEMAトーナメントや師弟トーナメントで「棋士のまち」として紹介される兵庫県加古川市は、新人棋士の登竜門である加古川青流戦を開催する事でも知られ、将棋ファンとしてはぜひとも訪れたい聖地の一つである。 文化の日の3連休に開催される第13期加古川青流戦で、ここしばらくコロナ禍で見送られていた鶴林寺での対局観戦が4年ぶりに開催されるというニュースをXで見つけた時、迷い無く応募する事に決めた。今年の決勝には私がABEMAトーナメントで注目するよう

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          9月第4週放送・最終回(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋

          「最終回」はいつだって切ない 9月24日、ついに迎えてしまった豊島先生の将棋講座最終回。私は新千歳空港の出発ロビーで、スマホの小さい画面を万感の思いで見つめていた。 前日に行われたJT杯将棋日本シリーズ北海道大会の現地観戦に訪れていたため、NHK+のアプリで視聴していたからだ。もちろん録画予約はしてあったが、最後の瞬間は先生やファンの皆様とリアルタイムで一緒に迎えたかったのだ。 普段にも増して優しい笑顔の豊島先生。責任感の強い先生なので、半年間講座をやり抜いた安堵感にも

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          2023将棋日本シリーズ JTプロ公式戦 北海道大会観戦レポ

          距離は理由にならない 2023年9月21日木曜日の夜。私は札幌市内にいた。9月23日に札幌コンベンションセンターで行われる将棋JT杯の受付時間に間に合わせるには、このタイミングで北海道入りするしか無かったのだ。 私が住む富山県から北海道へは、富山空港から直行便はあるものの、到着が14時過ぎと受付時間に間に合わなかった。 北陸新幹線で東京に向かい、羽田発の翌朝便に乗るには、21時台が最終リミットだ。今年は異常な残業続きで、最終新幹線に乗れる可能性がかなり低かった。ましてや

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          9月第3週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋

          とよぴー講座もついにラス前! 9月第3週放送の9月17日は、TBS日曜劇場「VIVANT」最終回放送の日だった。堺雅人に役所広司、阿部寛、二宮和也と、日本アカデミー賞主演男優賞の授賞式かと見紛うばかりの役者揃いだ。もう画面のどこを見たらいいのか分からない華やかさ。テレビドラマに期待するレベルを圧倒的に次元越えした一大スペクタクルの結末を、多くのかたが息を呑んで見つめたことだろう。 テレビ離れが加速する中、半沢直樹パターンで回を追うごとに右肩上がりとなる視聴率にも注目が集ま

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          9月第2週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋

          こんなに上手くいっていいの?その1 相掛かりの講座2回目。先週に続いて相掛かりの序中盤戦だ。攻めの手がかりをどこに求めるのか問題。飛車を活躍させてどんどん攻めたいのはやまやまだけど、守りも気になるところ。 この日は「攻める展開です」と、飛車先に☗2四歩を打ち込む手順を説明された。 ☖2三同歩→☗2四飛の後、飛車を咎める☖2三歩はよくある流れだ。そこで豊島先生は飛車を自陣に戻さずに☗3四飛と横歩を取った。 「ここで☗2二角成とすれば成功です」 確かに、馬を銀で取っても銀で取

          9月第2週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋

          9月第1週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋

          NHK杯思い出の一戦「初優勝…虚無⁈」 9月のテーマは2022年3月に放送された第71期NHK杯の決勝戦。松尾歩八段に勝利して初優勝を飾った豊島先生にとって思い出深い一戦から「相掛かり」を解説して頂ける。 相掛かりは私が初めて大盤解説会に参加した、2021年の第34期竜王戦第1局が強く印象に残っている。そういえばこの時の副立会人で、解説会にいらしたのも松尾先生だった。フィナーレに相応しい内容になることは間違いなしだ。 講座に入る前に、優勝を決めた表彰式のVTRが流された

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          ABEMAトーナメント2023 本戦 現役高校生・藤本渚四段 シーソーゲームの末に

          2023年8月26日。ABEMAトーナメント2023 本戦トーナメントは準決勝進出をかけたチーム稲葉VSチーム千田の試合が放送された。 昨年優勝時と同じメンバーで連覇を狙うチーム稲葉がフルセットの末に5勝4敗で辛勝し、前回覇者としての意地をみせた。 私は惜しくも敗れたチーム千田、特に最年少将棋棋士である藤本渚四段に予選から注目していた。2022年10月にプロデビューされてからまだ1年も経っていない。 年齢の割には落ち着いた物腰や静かな話しぶりにはプロ棋士の雰囲気が漂うもの

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          8月第3週放送(いつか憧れの)初段を目指す!スキがない将棋

          敵の入玉阻止!王様の護衛を攻めよ 8月第3週は雁木シリーズ最終回、いよいよ寄せの手綱を絞る最終盤の解説だ。終盤がヨレヨレでしょっちゅう逆転負けしてしまう文字通り“詰めの甘い”私としては、豊島先生の寄せの発想をぜひ学びたい。前のめりで視聴した。 服部慎一郎先生は囲いも崩れてはいるものの、精鋭部隊に護衛され王様が最後の逃避行を試みている。忍者の愛称の通り、機敏な指し回しが得意な服部先生なので、脱出ルートを正しく封鎖しなければ入玉され、勝利目前で持将棋が成立してしまうことにな

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