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『アルジャーノンに花束を』の話

今日も起きれました。

昨日よりはマシだと思います。
謎に顔の右側が痛かったりしましたが、たぶん生きているんで大丈夫です。
問題を強いて言うなら今週に入ってから気持ち悪さが取れないので、朝昼食が豆腐と水になってしまってるくらいではないでしょうか。
楽なんですよね。

さて、昨日『アルジャーノンに花束を』を読みました。
配偶者の本棚に入っていた一冊。
中学生の頃に一回読んだことがあったはずなのに、大体のあらすじしかおぼえていなかった本。

『知的障がいがあり、幼児程度の知能しかない主人公チャーリィが脳手術を受けたことにより、めきめきと知性を身につけていくが、その反動で悪意や愛に触れて葛藤していく』
が、個人的なあらすじだと思っています。
基本的に彼自身が書いた経過報告書を読む形式なので、最初のひらがな・誤字あり・読点類なし、はかなり読みづらかったです。
でも少しずつ正確で読みやすい文章になったと思ったのもつかの間、チャーリィの知性は「もはや良くなりすぎてわからん」まで行ってしまい、完全に作者の術中です。

正直、今の状況下で読むこの本はなかなか胸にくるものがありました。
そして、なぜ中学生の私がすべてを理解できなかったのかをはっきり理解しました。
チャーリィの目を見張るような知能向上の一瞬しか当時の私は理解できなかった。そしてようやく成長しあの時より理解できるようになった、と。

私の中で一番印象に残ったのは、『自分が見下されていた、バカにされていたとチャーリィが自覚した』シーンです。
思い当たる節があり、本当に悲しくなりました。
昔、いじめを受けていた頃より、今の方が打たれ弱いのはきっと、自分が少しあのころより賢くなって、悪意に敏感になってしまったから。
それならずっと昔のままでよかったのに、とか思ってしまいます。
社会に適合したくて、真っ当になりたくて改善してきて、結局結果がこれであるならば……。
何が本当の幸せなのか、とじっくり考えてしまいました。


何回か休憩のために読むのをやめようと思ったのですが、チャーリィの行く末が気になって最後まで一気に読んでしまいました。
ねずみのアルジャーノンと築いていく友情に似た感情も、本当に好きなものがぎゅっと詰まっていました。

この年になって改めて読み直して本当に良かったです。
そんな感じです。

じつは怖くて家からでれないので、暫くは本や映画なんかの感想がメインになるかもしれません。

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