備忘録.

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DUNE砂の惑星


舞台は砂の惑星で厳しい自然が広がる星だった.砂塵が吹き荒れるから形を全て削り取る.水分が存在しないほど渇ききっている.日中に陽の下に出ないのは当然で水分すら貴重な資源だ.自然が厳しいと人間も逞しくなるからいい.生き残るために必死になる.砂に住む一族が同族に対して「こいつは生きる能力がないから殺して血を水分を抜き取ろう」と言い出す.仲間の死体を再利用する.生き残るのに必死だった.そういう姿が本当に良かった.かっこよかった. 砂嵐を見ると北海道のニュースで吹雪でホワイトアウト

    • ベイビー・ドライバー

      その日1本目に見た映画が外れでなんか難しいモチーフを取り入れたせいでよくわかんなかったね.気楽に見れるの見たいねって言って見たのがこれ. 注ネタバレ 予告編.エドガーライト監督の作品だから間違いはない.爽快感がいい.音楽とアクションが連動してワンカットが緻密に計算されてるのがいい.すっごい頭使って演出作ってんのに,涼しげな顔して演じてるのがいい. amazonで無料だったから見るといい.あらすじ書くのめんどくさいからよかったとことか雑感の備忘録. よかったとこ 1.

      • ポケモンはつよくてニューゲームじゃなくていい

        未クリア,懐古厨 アルセウスはちょっとしかまだ遊んでないけど面白かった.歴代最高って誰かが言っててそうかもなあと思うしオープンワールドで何処にだって行けるのがいい.昔を舞台にしたから,オーキド博士も生まれてない時代でポケモンが解明されてない.だから自然界は怖いし,恐ろしいポケモンが闊歩していると思われてる.プレイするとすぐに強そうなギャロップに出くわす.ポケモンが怖いから人間達が争わないようにしようっていう不文律がある.いい世界観だった. でも,なんか違うって思った.同時

        • Whiplashは最悪に美しい映画です

          鬼気迫る狂気こそ最悪に美しかった. 注ネタバレ 邦題はセッション.星1と星5の評価が共存する映画.ジャンルは音楽と人間ドラマ.ドラマーと指揮者が最高の舞台に到るまでの破滅の数ヶ月.吹き替えより字幕で見るといい.俳優がいい.音響がいい.元気なときに見るといい.間違いなく最悪の映画だったし,酷かったからこそ最高の映画です. 世の中に時折誕生する"天才"の幻想を追求する映画.スポーツや音楽や絵画でもなんだって通じる幻想.誰も追いつけないような類稀なる超絶技巧を持ちうる人間.そ

        DUNE砂の惑星

          アナザーラウンド見たのによくわかんなかった

          絶賛するレビュー書こうおもって楽しみにしてたのに全然わかんなかったしこういう映画をよくわかんないっておもう自分にどうしようってむちゃくちゃ不安になってしまった.ごめん. 小島監督のツイート見てすごく楽しみにしてた. アカデミー賞国際長編映画祭受賞のデンマーク映画で,他にもなんかいっぱい賞をとってるらしい.44 wins & 56 nominatis って書いてあった.映画に詳しくないからどれくらいすごいのかわかんない.日本だと大きな映画館でやるような映画じゃなかったし.幸

          アナザーラウンド見たのによくわかんなかった

          透明性

          透明性.マルク・デュガン *ネタバレ含む 読者ってのはどんでん返しを期待しているくせして,その癖ちゃぶ台返すとそうじゃねえよって文句ばかり垂れる.ほんとめんどくさいな.って思った.わたしもそうやって揶揄してばかりの読者だと思う. この本が,展開が一転したと思ったらまた一転してしまうっていう性質を持っているせいなのもあるけど,レビューや感想には辛口読者も少なからずいて,否定の意見ってわかりやすく強いからなんか負けそうになる.面白かったのはほんとだし,叩きやすそうな点

          透明性

          備忘録2

          1年前に書いてて下書きに残り続けてた記事の供養 最近の消化したもの ジャンプ これは久保帯人が連載始めたから久しぶりに買い始めた。短期集中連載だからすぐ終わった。聞かれてもないのに、今のジャンプの連載陣がクソみたいなこと言うやつは死ね。アンケートはいつも下の順位の作品を3つ送ってる。 チェンソーマン こういうのを少年誌でやってるのがいいんじゃないか(雑) 作者が(きっと)ひん曲がってて、クッソ上手い絵に超面白い展開を思いつく天才の癖して、価値観というか生き方がこっち側

          備忘録2

          ルックバック 感想

          愛を込めて. 月曜日にこんな爆弾落とすなんて最低だ.ほんとうに最低だ. なんか言いたくなってしまったので書きます.こういう時に何も言わずに「最高!」みたいな一言だけ残しておくシンプルが故の深くて"判っている"読者感.みたいなやつとかいらないので,書き殴りたくなってしまったことを殴っておく. ついっとに書いたこと. 当たり前だけど、小中学生のときに絵を描いててちょっと褒められて舞い上がった経験があって でも絵なんて描いても上手くなんないから辞めたって人も漫画描いてたけど

          ルックバック 感想

          墓場

          墓場 未必のマクベス 帰結に向かう旅 旅の終わりはわかってて漕ぎ出す方向もわかってる、みたいな "昨今は無感動で冷静に戦術・戦略を立て実行していく主人公がトレンド"って風に、いまどき小説の傾向も、若者の傾向もこんな感じ. 損をしたら喚くんじゃなくて時期をじわじわ待ってやり返すとか、上昇志向的で楽観的な風に口をきかないとか、そういうのが売れる時代でそういうのが多く書かれる時代になってきた、と思う. 未必のマクベスはシェイクスピアの四大悲劇のうちのマクベスを主題にそれを現代風

          舞城王太郎レビュー10日目「淵の王」

          二人称小説.珍しくて舞城王太郎の淵の王で初めてまともに読んだかも. 誰視点かっていうと幽霊みたいに漂ってる語り手の視点.語り手が「あなたは」って呼びかける先が主人公になる.不思議な感じの小説. 二人称だからこそ主人公視点じゃ描写できないものも描けるし舞城王太郎らしいホラーと愛にも溢れてる.

          舞城王太郎レビュー10日目「淵の王」

          舞城王太郎レビュー9日目「阿修羅ガール」

          愛が足りねーんだよ愛が 昨日,バイオーグトリニティの話をしたからやっぱ舞城王太郎は愛の話だなあって思って阿修羅ガール読んだら,愛に溢れてた,すき

          舞城王太郎レビュー9日目「阿修羅ガール」

          舞城王太郎レビュー8日目「バイオーグ・トリニティ」

          舞城王太郎のストーリーも最高で大暮維人の作画も最高.物語はめっちゃ舞城王太郎味を感じる.ひさびさに読んだら絵が綺麗すぎて声が出た.舞城王太郎と大暮維人が組んでくれたことがほんとにうれしい. 少年漫画って,わかりやすい敵という存在がいてそいつを倒したら世界に平和が訪れるみたいな構造が一般的で.チェンソーマンとか鬼滅の刃とかそんなんだし.マキマさんとか無惨とかを倒そうっていうのが最終的な目標になる.悪いやつがいるから不幸になるやつがいて,そのままにはしておけないから悪い奴には死

          舞城王太郎レビュー8日目「バイオーグ・トリニティ」

          舞城王太郎レビュー7日目「ダイナマイトハンズ」

          愛を込めて。 舞城王太郎の語りが好きなのでコールドスナップの作品をめっちゃ推してしまう。

          舞城王太郎レビュー7日目「ダイナマイトハンズ」

          舞城王太郎レビュー6日目「バット男」

          どこかで表面がぼこぼこのバットを拾って手にして、自分より弱い奴を探して殴ろうとしないとも限らないのだから。 「バット男」.舞城王太郎の作品の中で暴力性が強いものがいくつかあるうちのひとつ.これが発表されたのが2001年のことで,その裏には1990年代のオウム真理教や神戸連続児童殺傷事件とかの日本の犯罪事件があるのを思い出す. 暴力がどこから生まれてどこに伝播してしまうのか,犯罪心理や暴力性について物語として向き合おうとする.舞城王太郎は奈津川三郎に「ある種の真実は、嘘でし

          舞城王太郎レビュー6日目「バット男」

          舞城王太郎レビュー5日目「ピックポケット」

          日本語は舞城が『九十九十九』を書くためにあったのだと思う。 「舞城王太郎と平成文学のナラティブ」っていう書評の冒頭のこの部分のことを舞城王太郎を読む時にいつも思い出す。 確か二○○五年だと思うが、京都から仕事で上京した私を自宅に泊めてくれた同世代のライターが「日本語は舞城が『九十九十九』を書くためにあったのだと思う」と深夜に熱っぽく語っていたことを、今でも印象深く覚えている。 ピックポケットは「コールド・スナップ」っていう舞城王太郎の翻訳書に入ってる短編の一つ。すごく短

          舞城王太郎レビュー5日目「ピックポケット」

          舞城王太郎レビュー4日目「私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる。」

          愛を込めて。 京大SF研が書いた舞城王太郎(全)作品レビューが大好きです。誰かが舞城王太郎の作品をレビューしてやろうって思い立って、本を作っていたことがほんとにすごいなと思ってます。私はそれにはなれないんかなとずっと思ってた。あれ以上のレビューを書くには私はそれほどうまく文章が書けるわけでも文学的な背景に詳しいわけでも,話が上手いわけでもないので。 「私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる。」 舞城王太郎の作品で一番好きなタイトル何?って言われたらこれを

          舞城王太郎レビュー4日目「私たちは素晴らしい愛の愛の愛の愛の愛の愛の愛の中にいる。」