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映画『DEATH DAYS』 (ネタバレ感想文 )長久允の『生きる』

最初にお断り、と言うか、苦言を呈しますが、この映画自体は50分程度の短い作品です。
なので(なのかな?)本作のメイキングドキュメンタリー「生まれゆく日々」が同時上映なんですが、生憎、メイキングに興味ないんです、私。
映画館の2,3列目に座ってスクリーン以外視界に入らない空間で、
なんならスクリーンに飛び込もうかという勢いで、
映画の中の物語にドップリ浸って「フィクションの世界」を「リアル」に感じたいのです。
だから、メイキングは興ざめしちゃうんですよ。
例えばテレビドラマで、番組の最後にプレゼントのお知らせをしちゃう主人公。あれ嫌い。
だってさぁ、例えば『北の国から』で、田中邦衛に「DVD-BOXプレゼント」とか言われたら嫌でしょ?お前んとこ、電気通ってねーだろーがって思うでしょ?まあ、私、「北の国から」ビタイチ見たことないんで知りませんけど。
そんなこんなで、すっかり冷水を浴びせられた格好でテンションダダ下がりでこの感想文を書いているのですが、同時上映のことは忘れて、映画本編のことだけを思い出して感想を書きます。
(長い前置き)

この映画を観に行った理由は、長久允監督だったからです。
2019年の私のナンバー1映画『ウィーアーリトルゾンビーズ』の監督です。

たしかその時のキャッチコピーが
「生きてるくせに死んでんじゃねーよ」だったと思います。
要するに「死んだように生きてんじゃねーよ」という、逆説的な人生応援歌なのです。

この『劇場版 DEATH DAYS』も同じです。

元はネット配信ドラマだったそうですが、コロナ禍の影響で、それ以前よりもさらに「死んだように生きている」状況が常態化した。
そんな世の中を生きる私たちに、特徴的な毛羽立った画面で、
「死んでない」「やったね」
という人生賛歌を送ってくれているのです。

これは、黒澤明『生きる』(1952年)の長久允版なのです。

監督:長久允/2021年 日( 3月12日公開)

(2022.03.20 渋谷シネクイントにて鑑賞 ★★★★☆)

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