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細い!小顔! それ、褒めてないって

先日、娘とfacetimeで話していた時のこと

「この前、私が衣装を試着してた時に、上の学年の日本人のお姉さんが、他のドイツ人の子に私のことを「細いよねぇー」って呟いてたの。
もちろんポジティブな意見として言ってくれたんだけど…」

これが日本だったら「ほんとだねぇ」とか「いいよね」って肯定的に返事をするのだろうけど、その時に言われたドイツ人の子は、無視というより、
え?何を言ってるの?
という感じでちょっと怪訝そうな顔をしてたそうだ。

「“細い”とか“痩せてる”とか日本だとポジティブなワードが、こちらでは魅力的がないネガティブな捉え方をされてしまうので、全然褒め言葉にならないんだよね」と言っていた。

なんと、体型で褒めるとか貶すとかの概念がないそうだ。

顔が小さいね!鼻が高くて素敵!足が長い!うらやましい!
これらは日本の感覚で 褒め言葉として言ってしまうと、
むしろ嫌味のように捉えられてしまうらしい。

また、この衣装合わせの時に、
先生に
「あなたは胴が長いから、この衣装じゃ小さいんじゃないかしら?」
と、さらっと言われたらしい笑

もちろんネガティブな意味ではなくて娘の体の特徴として発言しただけ。
バレエリーナを育てる視点で、体型に対してOKかどうか、足が太いとかの指摘はされるが、褒めたり貶したりという感覚ではない。

胴が長かったり、手が短い人に対して「あなたは長いのね」「短いのね」って当たり前に言うんだよねと。
言われると一瞬「うっ」って刺さってしまうのだけど、そりゃこちらにいると、私は胴は長い人だよな、と娘。
あまりに普通に言われるから逆に受け止めることができるそうだ笑
だから、もっと体を綺麗に見せて踊るようにするにはどう工夫すればいいかと考えるようになるのだと。

ちなみに、親フィルター満載の母目線では、日本のバレエの教室でも娘と他の子と比べてそこまで足が短いと思ったことはない。
…まぁ長くもなかったが。

「小顔」は、頭の中身(脳)が詰まっていない、貶す感じに捉えらえられてしまうそうだ。
「細い」も、セクシーじゃないとか魅力がないネガティブなイメージ。うっかり、日本の感覚でそんなふうに褒めてしまうと、

「だから何? 私の中身は?」

と、思わせてしまいかねない。
娘は 自分は日本の感覚だからNGな発言をしてしまいそうで体型についての話題には触れないようにしているという。
でも心の中で足の長さ、顔の小ささ、やっぱり綺麗でうらやましく思っているとのこと。

そして、こういう環境だから「留学すると太って帰ってくる」という
“留学あるある”も生まれるんじゃないだろうか。
自己管理をしっかりしないとねぇ。

ドイツのバレエ事情


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