RTU決勝 中村倫也試合解説
昨日の中村倫也選手見事33秒KO勝利でUFCとの契約を勝ち取りました。
短い試合時間でしたがその中でも両者の動きに決定的な違いがあったのでフィジカル&ムーブメントコーチのダイグウジが解説してみます。
僕が先ず中村選手に伝えてたのは
HEARTSの選手なのでガチャガチャしながら強引につめてくるので横のステップで釣りながら奥手、奥脚のストライキングでどう反応するか見極める
ホーンが鳴ったら予想通りいきなり正面から詰めてきました。これで身体がほぼ正面に向いてるので、外取る動きをしたらどうなるのか見ていたら、前足を外に出して平行移動してきました。
この瞬間に僕は倫也の左ストレート絶対当たると確信しました。
あの場面、喧嘩四つで外取られたら基本的に軸の角度を変えて動く方が良いです。もし平行移動したかったら奥脚でステップして前手を相手の前手に被せるようにしないといけないです。
で、倫也はいきなり左ストレート出しましたがこれはやらなくても良かった。相手の中取ったら当たるぞと思ってたら、インサイドにステップして再度左ストレート。これがジャスト命中。
そこからバックステップで距離取って数発ハイキック
相手にキャッチされない様に高めに蹴ってるのも作戦通り。
ここでも突っ込んできたので、再度倫也はバックステップなんですが、ケージにつまってたというより斜め後ろにバックステップを綺麗に出来てるのが素晴らしい。
対する風間選手は奥脚を斜め前に出すように歩くように追ってるんですが、スイッチしないなら勧められないステップでした。前脚を相手に出すように前手で身体を被せる様に時計回り気味につめてたら50:50の態勢でしたが、あれだとつめながら身体が正面向いてます。
ここで倫也の右フックで最初のダウン。
何か当たると思った瞬間にまさかの右フック。
倫也の前手フックはまだ武器になるかなぁと不安でしたが、あの場面で当てられるのは非凡さを感じました。
そこからはお互い雑に殴り合い見せてましたが、その中でも倫也はしっかり頭振りながら打撃出してたのは良い点でした。
そしてフィニッシュ、ステップバックしての左ストレート。
ステップバックの仕方は基本3種類、角度変化は相四つと喧嘩四つで変わりますがこのストレートは斜め後ろに下がって、ついた瞬間に左脚で蹴って打つやり方。
世界一有名なカウンターのマクレガーのは前脚でバックステップして空中で奥脚を内旋させて下がりながら既にパンチを出している打ち方です。
この打ち方は相手が強くステップインしてこないと当てるのが難しいので、倫也の打ち方が1番当てやすいはずです。
そんなこんなでわずか30秒ちょっとで勝ち、本戦扱いだったのでPerformance Of the Nightまで取るという。
中村倫也選手はこれでUFCと契約となり、全ての階級で一番層が厚いバンタム級で生き残っていくスタート地点に立ちました。
僕は幸運なことに水垣偉弥、田中路教、石原夜叉坊とUFCバンタム級ファイター達と関わらせていただき、嫌というほどあのオクタゴンの怖さを実感してきました。
未だにドミニク・クルーズいるし、コーディ・ガーブラントいるし、アルジャメイン・スターリングは天辺にいます。
それでも中村倫也ならと期待してしまいワクワクしています。
MMAファンの皆さん、これからも彼の応援宜しくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?