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「鳥」から

空が物憂げに広がっているので
鳥は努めて Coquettish に振舞う
誰に見せるともなく
見ることもない

瞳はすべてを線描きにしてしまうので
空はさらに大きく主張する
ついには瞳は鳥を見つけられずに
涙のしずくの中に鳥を住まわそうとする

彼女は空の青さに思わず目を閉じる
ああ 私の恋なんてあの人の瞳に私の瞳がいて
自身の媚態に見とれていただけのことなのだわ・・・

彼女は自らの背中を徘徊し恋人の不在を確かめると
小さく肩を震わせ ため息を気嚢(きのう)に満たし
青空に身を投げた


(16歳ごろに書いた詩。谷川俊太郎にはまっていたころ・・・。)

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