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あの青い空の下に・・・・・・

あの青い空の下に もう季節はかえらない

愛は贈るものではなくて
奪うものだという

君の十五才の陶器のくちびる
かわした言葉たちが
くりかえし
ぼくを奪った

いま ぼくの視線はぼくを離れ
思いもかけぬ世界をつらぬく
未知でありながら
あまりに親しい世界を

一羽の小鳥が
ぼくの抒情する脳髄の影がさえぎった砂の上に
墜落した

ああ あの落下も
限りない交換の
ひとつのかたち だったのか・・・・・・

何を奪いあって
ぼくたちは大人になるのだろう?

ぼくが問いかけると
こたえをこばむかのように 君は
樹の裏側に隠れてしまった

大人になったぼくが
そっと手をまわして
その樹をだけば

樹の蔭で いまでも
奪われるのを
じっと 目を閉じ
待っている君の
肩にふれるだろう

時の測定器である
その肩に------

(1999/03/21)

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