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トラマドール37.5mg・アセトアミノフェン325mg配合錠からトラマドール錠50mgへの変更は鎮痛効果増強と言えるか

 成分比較すると、トラマドールは37.5mg/回 → 50mg/回と増量するが、アセトアミノフェンは325mg/回 → ゼロになる。
 トータルの鎮痛効果はどう捉えればいい?

 ファイザーMRさんによると、トラマドールとアセトアミノフェンの鎮痛効果を直接比較したエビデンスはないが、アセトアミノフェンは1,000mg/day以上投与しないと鎮痛効果は期待できないと言われており、トラマドール25mg/dayの鎮痛効果は、アセトアミノフェン750mgよりも強いと思った方がいい。

 トラマドールとその配合剤を鎮痛効果順に並べると、以下の順になると感じているDr.が多いらしく、アセトアミノフェンの鎮痛効果はほとんど無視されている現状もありそう。

 弱 トラマドール12.5㎎
   トラマドール25㎎
   トラマドール37.5mg・アセトアミノフェン325mg配合錠
   トラマドール50㎎
   トラマドール75㎎
 強 トラマドール100㎎

 ちなみに、トラマドール・アセトアミノフェン配合剤の開発経緯では、鎮痛の即効性を期待してカロナールを配合したとされており、慢性化した痛みにカロナールを漫然と投与するのは有益性に乏しいとする考えもあるようだ。

【2018年5月30日記載】

仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。