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架空鉄道的「無料優等車」の活用

私は、京阪8000、新快速、名鉄2200といった「無料優等車」を国際的な都市鉄道の文脈でどう位置付けるべきか?という問いについて長らく考えてきたが、RapidTransitの派生形として捉えたところ妙に腑に落ちた。

日本にはRapidTransitの居住性に対し「座り心地の良い転換クロスシートを備えるべき」という経営哲学、あるいは信仰、あるいはフェティシズムがあり、それに基づいて先に挙げたような無料優等車が根付いてきたのではないだろうか。こういった観念の極端な例としては京阪8000系が該当するだろう。乗降の流れが激しい一般的な都市鉄道の中にあのような車両を走らせ続けるのは信仰かフェティシズムにしか見えない。

以上の仮説に基づいて陸前交通の優等車を考えてみると次のようになる。
世界標準的なRapidTransitであれば高速走行可能な通勤電車が都心から40km程度の遠方まで走っていくところ、陸前交通は日本的な観念に基づいたサービス体系が導入されるため、クロスシートの優等車とロングシートの通勤車で階層分けが生まれる。言い換えれば、戦後的RapidTransitに関西的世界観をインストールする試みである。
このように捉えると輸送力や費用対効果の面では必ずしも合理的とは言えない「無料優等車」を創作の中で活かす積極的なロジック作れるのではないだろうか。

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