見出し画像

WAIS-Ⅳを受けて「自分」を考える

2023.11.2

歩いていても
金木犀の匂いがすっかり消えてしまった。
秋の命は短い。

この一週間、
パスポートが必要な申請にパスポートを忘れ、
運転免許証の更新に免許証を忘れ、
「段違いに物忘れが激しいな」と
自分に自分で呆れているところ。
まあ別日があるから良かった。

無駄にした交通費は
秋の心地よい天気の中で
気持ちよく散歩し、
カフェで美味しいお茶を飲むために払った
と思えば
自分を大きく傷つけずに済む。
まあしょうがない。
そんな日もある。

そうやって
「まあしょうがない」
と自分を許すことに慣れなければ
私は自分を殺してしまうのかもしれない。
つい最近、特にそう思う。

WAIS‐Ⅳを受けた。
ぼちぼち結果が来るんじゃないだろうか。

出来/不出来を評価されるのではない
と分かっていながらも
テストの結果(点数)は気になるものだ。

なぜかと言うと、
多分ほとんどを間違えたから。

日常の困りごとは何なのか

事前に問診票に書いたけど、
改めて医者と「困りごと」について整理した。

  • 文字面で人の意図が読むのが苦手

  • 数字やデータ入力が極端に苦手

  • 人のいるところで仕事が出来ない

そして上記と、テストでの私とのやりとりも加味しながら、
医者から日常生活について色々な質問があった。

家は綺麗ですか?
整理整頓はできますか?
方向音痴ですか?
運動(主に球技)は得意ですか(得意でしたか)?
動物は好きですか?
人と会話した夜、一人で反省会をしていませんか?
子どもの頃、授業は聞けましたか?
趣味は何ですか?
普段どんな服を好んで着ますか?
幼稚園~大学まで、どんな風に生活していましたか?
など

自覚として

頭の多動は確実にある。思考はあちこちに飛ぶ。びっくりするほど飛ぶ。
家は綺麗だと思うけど、多分家の角に溜まるホコリに気付いていないだけ。
洗濯物が畳めず2週間は放置してしまう。
地図が読めずほぼ必ず逆方向を歩く(目で道を覚えるのは得意)。
球技は小~高でバドミントンをしていたので苦手ではない。
ただ競争は苦手で、試合をする意味が理解できていなかった。
女の子たちのグループが苦手。何を話しているのかが分からない。
手先を使って黙々と出来る作業が好き。
ハンドメイド、手芸(ミシン)、編集作業…。
「自分のペース」と「自分のルール」の中で好きに出来る仕事が得意なんだろうな、と自負している。

「人に興味がないのではないですか?」

上記は印象的だった質問の一つ。
本当にちゃんと正直な話をすると、ないのかもしれない。
「かもしれない」というのは、はっきりと興味を持って人と関わる時がないわけではないから。
ただ、保育士をしていた時やその他の仕事の時も、仕事中の相手が「どう思うか」よりも「自分の気持ち(やりたい/やりたくない、楽しい/楽しくない)」に沿って動いていたかもしれない。
悪く言えば「人からどう見られているか」を客観的に察するのは下手なのだと思う。
そう考えると「自分の気持ちに沿って動いてしまう」自分の幼さにも少し合点が行く。

『「人」が怖いと感じませんか?』

質問の後、「あと…」と聞かれた内容がこれだった。
「人」と「怖い」という言葉を合体して深く考えたことがなかったので、少し「うーん」と考えた。

正直なんて答えたのかは忘れたけど今思えば、
もしかしたら「何を言っているのか理解できない」と感じる瞬間が「怖い」に該当するのかもしれない。
御年30歳、もちろん社会人として働いたことはあるし、一応大勢の場の中で話すこともある。
保護者会、説明会、職員会議、接客、電話対応…など。
大人になればなるにつれて、これらは上手くなっていく(上手く流す処世術を身に付けられる)ものだと思っていたけど、私の場合はどうやら違った。
年を重ねても重ねても、相手が発している言葉の解像度が上がらない。
だから相手が何らかの質問を私に投げて来たとしても、一度時間をかけて自分の言葉に咀嚼しないと、応答が出来ない。
なので今では「咄嗟」や「臨機応変」を求められる場所が非常に苦手だ。
そういう苦手意識があるので、「人が(と話すのが)怖い」というのは間違いではないかもしれない。

結果はどうであれ…

「自分は自分だ」と納得はしているものの
やはりどう頑張っても比較対象はあちこちにいて、嫌でも「私」と「あの人」の違いは目についてしまうから、専門的な知識を持った人と困りごとを共有できたことは、自分にとっては結構な一歩だった。

正直何らかの診断が付いたからと言って、それを前面に押し出して何かをしたいわけでもない。
だけど私がちゃんと一つずつを納得して生きるために、こういう機会を自分に作ったっていいよね、とは思う。

例えば今後、私のために
無理に大勢の中に入らなくてもいい、とか
人をまとめる仕事を無理して引き受けなくてもいい、とか
嫌になるくらい手作業仕事をこれからたくさんやっていこう、とかね。

まあ、結果などはまだこれから。
言うかもしれないし、言わないかもしれないし。

Twitter


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?