善い歳の取り方

おはようございます。
心理カウンセラー 池田廉です。

この記事では、哲学者キケロの教えに基づき、
私の考察を交えながら、「善い歳の取り方」について解説します。

キケロは、ストア派且つエピクロス派でもありましたので、

・自然に従って生きる

・隠れて生きる

という信条を持っておられました。

いかなる情念にも心を動かされず、煩わしい世界と一線を引き、
心の平穏を目指しながら生きたのです。

そんなキケロが説く、「善い歳の取り方」について、
順を追って説明していきます。

読者様に想像していただきやすいように、
老人を例に挙げながら、解説してまいります。

・道理をわきまえている性格の良い老人は、心が豊かである

まずここで、押さえておきたいのは、

・道理をわきまえていること

・性格が良いこと

これら二つの要素が、心の豊かさに繋がると説いています。

この言葉については、理解しやすく、解説不要かと思います。

・老いが悲観される四つの理由

①活動性の低下

②体力の減少

③快楽の欠如

④迫りくる死

歳を取るごとに、活動する気力が低下すること。
運動をする際にも、昔ならもっと動けたのにと感じること。

歳を重ねるごとに経験することは増えたものの、最初の頃ほど快楽が無いこと。
年々死に近づいていると考えてしまうこと。

これは、現在高齢者の方に限らず、20代以上の方であれば、
共感できる点は多いのではないでしょうか?

では、歳を取るごとに衰えていくのならば、仕事における効率や結果なども、
自ずと落ちていってしまうのではないか。

歳を取ることに良い点はないのだろうか。
この問いかけに対して、キケロはこのように説いています。

・本当に大きな仕事は、「知恵・人格・冷静な判断力」によってなされる

アテナイの政治家ソロンは、このように説いています。

・私は日々何かを新たに学び、知りながら老いていく

つまり、老いていくことには抗いようがないのは事実だが、
「精神の力」を用いた活動的な営みが残されているということです。

年齢に関係なく、自分のできる範囲で力を発揮すればいい。
自分自身の善いもの、強みを使うのだと。

その善いものや強みというのは、ライフステージ毎の属性があり、
それを大事にすることが肝要です。

・健康に留意し、精神を磨き続けよ

・知性の鍛錬が、人生後半の鍵を握っている

・人を過ちに駆り立てる欲望を、老年が取り去ってくれる

このようにキケロは説いています。

何歳になっても、精神性を磨くことに完成は存在せず、
知性の鍛錬の継続によって、豊かな歳の取り方ができるのだと。

また、年齢が若い間は、欲望による失敗を幾度も経験するものですが、
歳を取るごとに、そうした欲望による過ちも減少していくものであると。

これらの言葉を知ることで、歳を取ることや老年期に対して、
悲観的にならずに済むのではにでしょうか。

また、歳を取るごとに、威信や貫禄がついてくることでしょう。
それは、人生最後の果実であるとキケロは説きます。

この人生最後の果実を得られるかどうかは、
個々人の自己研鑽にかかっているのでしょう。

・誰もが善く生き、立派に生きることができる

・自然に生じるものは、すべて善いものである

というキケロの言葉で最後にしたいと思います。

善い歳の取り方をするために、こうした心の姿勢をもとに、
日々精神を磨きながら生きていくように共に努めましょう。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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