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投票のパラドックス(多数決を疑え!!)


(1) 投票のパラドックス


 投票は民主主義を支える極めて大切なものの1つです。しかし、多数決では明確な結果が得られないということがあります。
 それは、誰が悪いということではなく、「投票」という制度自体に内在する問題です。コンドルセが指摘した、投票のパラドックス( voting paradox )という問題です。
 若干ややこしいのですが、それほど難しくはないので、最後までお読みいただければ、と思います。
 少しだけ頭を使います😄。


⚠️主に、スティグリッツ「入門経済学(第3版)」、東洋経済新報社、pp.277-278を参考にしました。


(2) 単純なモデルを使って考える


 太郎くん、次郎くん、三郎くんは一緒に映画を見に行く約束をしました。
 みんな1番見たい映画なのかということに関して意見が異なっています。
 
 とりあえず、見たい映画が候補をA,B,Cの3つに絞りました。いま、3人の見たい映画の順番は次のようになっています。

見たい映画の順番

 1番見たい映画は、3人とも意見が違うので、とりあえずAとBならどちらが良いかを話し合うことにしました。


とりあえず、「C」を除外すると次のような順番になりますね。

太郎くん 1番→A 2番→B 
次郎くん 1番→B 2番→A 
三郎くん 1番→A 2番→B

 「C」をいったん考慮から外して投票すれば、太郎くん・三郎くんは「A」、次郎くんは「B」なので、
2:1で「A」が選ばれることになります。


では、同じように、今度は「B」を除外して、「A」と「C」で投票することにします。

太郎くん 1番→A  2番→C
次郎くん 1番→C  2番→A
三郎くん 1番→C  2番→A

 「B」をいったん考慮から外して投票すれば、太郎くんは「A」、次郎くん・三郎くんは「C」なので、
1:2で「C」が選ばれることになります。


次に「A」を除外して、「B」と「C」の二択で投票すれば、
繰り返しになるので省略しますが、「B」が選ばれることになります。


(3) 多数決を疑え!!


 投票というものは、民主主義の根幹だと考えられています。
 上の例では、どの映画を見たいかという、平和な話題でしたが、選挙となると利害関係の問題になります。
 
 なにが論点になるかによって、投票する政党は変わってきます。


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