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詩 | 菜の花を見ると

桜には
桜の美しさがあるけれど
私が一番好きな花は
菜の花だった

川辺に咲く菜の花は
遠くまで私たちを
いざなう道標のようなものだった
いつも二人で一緒に歩いたね

二人の恋は
散りゆく桜の木の下で
終焉をむかえたから
桜を見ると涙が出るの

でも菜の花は違う
二人で楽しく歩んだ記憶しかない
菜の花畑に漂う匂いは
優しかった彼の思い出の
トリガーになるの

そう この香り
この香りに包まれると
両手で私を包んでくれた
彼のことを思い出してしまう

あなたを
振り向かせたくて
わざと荒れてしまった私が
いけなかったのね

あなたは
何度も何度も
傷つきながら
私にずっと
寄り添って
くれていたのに

自信のなさの
裏返しだったんだと
あとになって気がついたけど
後の祭り 自業自得

あんなに優しい人
ほかにいなかったのにね
ごめんなさい
あの日のあなた
ごめんね
あの日のわたし

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