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台風と復旧

私は山深い場所にある公園で諸々の業務をする者です。先日、台風7号が直撃しました。

警報も出ており、非常に危険と思われる状況でしたので仕事は急遽休みとなりました。ちょうどお盆のあたりだったので、休みが増えたと喜んでいましたが、その気持ちはすぐに恐怖へと変わりました。

今まで体験したことのないレベルの豪雨だったからです。


台風が去り、天候が落ち着きました。
仕事はまだ休みでしたが、公園の様子を見るために車を走らせることにしました。

道中、見慣れた景色だからこそハッキリと違和感を感じるものだと思いました。

氾濫した川は道路にゴミや砂利を残しており、田んぼは削り取られたように崩落していたからです。

山奥へ向かうほど被害は酷くなっているようでした。川沿いの道路が崩落して通行止めとなっていたので、迂回してさらに進みました。

しかし、もはや車では進めなくなりました。
道路の崩落は何箇所もありましたし、土砂崩れ防止の鉄網が膨れて道路を完全に塞いでいたり、大量の土砂が流れていたりしました。

徒歩で移動しようと思いましたが小雨も降り始め、これ以上は危険と判断して引き返すことにしました。数ヶ月は様子を見に行くことすら不可能だな、そう思ったのですが...


数日後、応急的に通行できるようになったと聞いてとても驚きました。被害を目の当たりにした身としては「さすがに早すぎないか?」と疑うほどでした。

どうやら徹夜で復旧作業が行われたとのことでした。迅速な復旧に尽力された関係者の方々、実際に作業された土木関係の方々には本当に感謝しかありません。

ITとかリモートワークが当たり前になった時代には忘れがちなことがあります。社会の基盤はリアルな現場の仕事の上に成り立っているということ。

これを実感した出来事でした。いくらお金があっても雇えない、買えない。そんな状況にならないのは現場に出向く人々がいるからこそです。

そう思いながら、自身もスコップを片手に土砂を掻き出して復旧作業をしています。腰いてぇ。

おわり

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