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詩「飼育」

遠くの方で空を裂く飛行音と
たどたどしく電子のキャンバスを掻く音が
鼓膜のなかで捻れても
騒々しく飴を噛み砕く音が
それらをあっさりと定位置に戻す
固着した口唇期の証明

実際の距離にかかわらず
対象を心に描く練習は容易くはなくて
留め置くためにあらゆる手がかりを求め
忙しなく過去といまを往復すれば

軽々しく手を振った記憶と
重々しく手をまわした記憶の継ぎ目が滲み
露呈する愛着の生成過程

静寂を飼い慣らす誓いを
易々と破っていく薄弱な意志を
荒々しく咎める批判屋はもはや劣勢

ほど良く理性を溶かし、鎖をかわ
愛しい声の手の鳴る方へ

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