見出し画像

詩「花束」

抜本的な濾過により偽りを丹念に掬い
再度フィルターへ投じる孤独な遊戯

「反復の果てに無に帰すならそれまで」
虚勢を啄むは青い鳥か

ぽたぽたと抽出される感情は
深夜に漂う注意さえ吸い込み
緩やかに容器を満たす

痛々しくも惹かれる
不純物を敢えて取り込む暴挙の彩度

開け放たれた窓が拾う
鴉たちの哄笑も意に介さず
存外清澄な水面を一口啜れば顕示が香り

飲み干した自意識は
身体の隅々に染み渡る

さあ
形骸化した挨拶を
燻る嫌悪で包み、投げ捨てよう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?