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アナログは所有する喜びに満ちている

僕は音楽でも映画でも本でも「モノとして持っていないと持っている気がしない」のだ。

CDやDVDや本として目の前にないと「持っている」とは言えない、言わない。

ところが、今は「クラウドの時代」なので、モノでなく「ダウンロード」する。
単に目の前にあるのはデータであって「モノ」ではない。

これは実に心もとない。

まさに「雲をつかんでいるようなもの」で、とても「所有している」とは言い難い。

CD,DVD、本が本棚に並んでいるのを見るのがいいのであって、
データが並んでいてもなんの価値も感じない。

かといって、デジタルか、アナログかではない。

デジタルにはデジタルのいいところがあるし、アナログにはアナログのいいところがある。
しかしとにかくもデジタルは「そこに心がない」のだ。

デジタルは経年変化しない良さがある。
そして、陽に焼けたり手あかで汚れたりもしない。
しかしアナログには「経年変化の妙」というアナログの良さもまたある。

雲をつかむようなデジタルよりモノが目の前にあるアナログの方が
安心できる
のである。

レコードの針がかなでる、時々鳴るプチっという音は「焚き火の音」と同じで
周波数的に「癒しの音」となるのだ。

本をめくるペラっという音はいかにも「読んでる感」と、しおりをはさめば、
「ここまで読んだ」という充足感をもたらしてくれる。
何せ、起動時間ゼロだし、読みたいところがすぐにわかるのがいい。

人間とは様々な雑音も総合的に取り入れて「心地よさ」を感じる生き物なのだ。
だから僕はできるだけアナログのCD,DVD,本を「所有」するようにしている。

昭和は遠くなってしまったが、それでいいと思っている。
今すぐにDVDや本がなくなるわけではない。
まあ、僕の命がなくなる頃まではあるだろう。
静かに黄昏の時を楽しもう。
そして、もう少しの間、アナログに頑張ってもらおう。

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