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断酒は万能薬ではない、という話

お酒をやめて、400日が過ぎた。私の生活は劇的に変わった。
朝起きた時に感じる耐えられないザワザワした気分からは解放されたし
体調もいい。大抵の悩みは寝たらちょっと軽快するし、問題に直面しても考える時間が増えた効果で解決が早い。

この400日、奇跡的に「酒さえ飲まなければ私は大丈夫」マインドでいたのだけど、大事なことを抜かしてた。
ストレスに長期間曝されると自暴自棄になること。
その手段が飲酒ではなくなった、ただそれだけでそいつがどこかへ行ったわけではないこと。

ここ最近しばらく仕事のトラブルでワークに極端に傾く生活を送っていたら、メンタルの具合を崩してしまった。
酒は飲まない、飲まないのだけどその代わりに至る所にそのほころびが出た。
健康的でないものを大量に食べて気を紛らわすようになった。食事の用意をしなくなった。家事は放置。家はぐちゃぐちゃ。お風呂に入ることも放棄。感じることと考えることを放棄するために睡眠薬を飲んで寝る。

こんな生活で生産的な思考などできるはずもなく、考えはまとまらないし物事も進まずに、無能感に苛まれてさらに自暴自棄になる。さらに無能感に苛まれる。

日光を浴びることがいいことも、ゆっくりお風呂に浸かることがいいことも、ちょっと運動するといいことも、バランス食事を取るといいことも全部わかってる。全部わかってるし、元気な時は心がけてるんだよ。
でも、いざ一番その手当てが必要なタイミングには身動きが取れない。

断酒には素晴らしい効果があったし、誇張なく私の人生を変えてくれた。
でも、それはセンズ的な万能薬を手にしたわけじゃなくって、自分を傷つけるための武器を一つ捨てただけにすぎないってことを400日間すっかり忘れてました。

身動きが取れなくなるまでに自分を追い詰める癖とか、
ストレスに弱いこととか、スイッチ一つですぐに自分を大切にできなくなるところとか、この辺りの問題は断酒では解決しない。
この週末はとにかくゆっくり眠ってみようと思う。元気が出たら日光を浴びに出かけてみよう。