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マイノリティになって変わった、24時間テレビの見方

毎年、なんだかんだ見ている24時間テレビ。

嵐がメインパーソナリティーになることもあったので、長時間見たこともある。

24時間テレビに対しては、世の意見は分かれることで有名だし、私自身も全てを肯定したいという訳ではなく。

今年も、このコロナ禍でテーマが「動く」なのは驚いたし、動くなとも思ったし(笑)、花火中継では何故か途中で乃木坂が出てくるし、モヤモヤしたのも事実。

だけどこの一年、体外受精を検討し、決断・実行し、色んなことを手放して、完全に社会的に「マイノリティだ」と感じたあとで見る24時間テレビは、見方が変わった。

長らく更新をしてこなかったが、体外受精で授かった子は、私の心配とは反対に、すくすく育っている。

でも、どうしても思考が邪魔をする。

今や16人に1人が、体外受精で生まれた子だと言うが、この社会が作った「マイノリティ」であるという自分の事実に、私は思考を阻まれている。

このあと何かが起こってしまったら、きっと私は自分を責めるだろうし

そうなった時に、あの治療を再開できるのか不安で仕方ない。

それと相まってこのコロナ禍でおちおち外出もできない。

思っていたマタニティライフは、私にはまだまだ遠い。

このような思考が胎教にも我が子にも悪いというのは重々承知している。

だけど、そう思わずにはいられない。

この社会が作り上げた一つのものさしに、縛られてしまっている。


24時間テレビの話に戻るが、

数あるモヤモヤ企画の中で、あぁこれは良い企画だったなと感じたのは、アペール症候群という難病を乗り越えた女の子が、YouTubeで話題のアクションリレーを通じ、サプライズで母に感謝の気持ちを伝えるという企画。

今までの24時間テレビは、難病や障がいと闘う人たちが、「何かを頑張る」という企画をやっている印象があったが、この企画は彼女自身が「やりたいこと」を番組が後押ししているという形になっていた。

辛そう、大変そう、というのではなく、彼女自身がやりたかったことを心の底から楽しんでいる姿が、とても印象的だった。

でも私は、アペール症候群という難病のことは存じ上げていなかったし、彼女をきっかけにして「知る」ことができた。

同時に考えたことがある。

もう何年もやっている24時間テレビ。

「新しい日常」をテーマにするのならば、そろそろ目に見えない病や障がいとも、向き合ってはいかがだろうかと。

社会は大きく変容している。

社会が変容すれば、障がいの形も幅も変わる。

人々の見方や認識も変わる。

でもそれは、それが浸透した、ずっとあとでの話。

特に昨今は、精神の病やLGBT、不妊治療もそうだが、目に見えないところで、自分の精神ギリギリのところで頑張っている人たちがたくさんいる。

そうした人が、何によって傷付けられるかというと「無知」で、

その「無知」であるが故の外野からの意見だったり、変な話、慰めだったり、そういったものに傷付けられる。

反対に、何によって心の平安を保てるかというと「それを知っている人が一人でも多くいること」だと私は考える。

大多数の集団があって周知化される、ということではなく

一人でも多くの人が、”正しい知識”を得ることができる機会があると、世の中は変わると感じている。

だから、”ゴールデンタイム”に、NHKではなく”民放”で発信することは、何気に重要なのだ。

それが、ジャニーズや女性アイドルを起用している番組なら尚更。

きっかけは、多い方がいい。

もちろん当事者の中には、様々な意見を持つ人がいると思う。「私はこうではない」とか、「これはちょっと違う」とか。

でも、民放が思っているよりも、タブーな問題ではないはずだ。

当事者は、もっと知って欲しいと思っているはずだ。

そして、それによって、救われたいと願っているはずだ。

別に「何かを頑張る企画」に執着しなくても良い。

それこそが、”新しい日常”を作るのではないだろうか。




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