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第264号『二度とお前には教えない』

注:これは私がコンクリート会社に勤めていた頃のエピソードがきっかけの話です。30年近く昔で時代的に今とシチュエーションが違いすぎますので現在の人でも読んでいてわかるように一部の設定を変更してお届けしますが、まぁ読んでいても気づかないレベルの話なので気にしないでください。

これは今からおよそ30年くらい前の話です。

私は大学を卒業後にコンクリート二次製品メーカーに就職しました。(それから3年半ほど務めた後に友人と一緒にゲーム開発会社サイバーコネクトを作ったのですが、それはまた別のお話)

今回は私がまだ22歳で初めて会社員(社会人)としてお仕事を始めたばかりの頃に実際に起きたエピソードです。

【二度とお前には教えない】

それは入社して研修を終えて2か月ほど経過した頃に起きました。

この頃の営業部は机が6個くっつけてあるように配置されていて新人2名・3年目2名・5年目の先輩社員2名というような構成で部署が作られていました。

仕事自体が営業だったので朝8時に出社したあとはバタバタと準備を整えてそれぞれが営業車で近隣の県の役所や工事現場に赴くというのが日常だったのですが、その日は珍しくほとんどの営業が席に座っている状態で各々が年度末に向けた報告書類をエクセルで作っていたのでした。

まぁまだ入社2か月とはいえコンクリート業界の仕事の仕組みや在り方というのは実にシンプルで一通りのことは既に理解して私はテキパキとエクセルに票を入力していたのでした。

すると入社5年目の先輩社員がいきなり私に話しかけてきました。

「松山ぁ、知っとうや?エクセルってこうしてこうすると自動でまとめて計算出来るけん、便利やろうが、ひとつひとつ入力すると効率が悪いけんこげんすっとぜ?(こうしろよ?という意味)」

私のパソコンを先輩社員がカチャカチャと触りながらいきなりそんなことを言われたのですが、まぁ正直全部知ってる内容だったし、なんならデータを見ればわかるのですがちゃんとそうして作っていたのでした。

知ってる内容に対してずいぶんとマウントを取るような発言をする先輩社員に対して私は一言こう伝えました。

「はい、あの全部知ってますし、やってますよ」

すると一瞬の沈黙の後に真っ赤な顔で机をバンッと叩いて

「二度とお前には教えん!!」

と叫んでツカツカと先輩社員は出ていきました。

「(やれやれ)」とため息をつきながら自分のパソコンに向き直ると、一部始終を見ていた同僚や他の先輩社員が私の席にやってきてこう言われました。

「松山、お前アホやろ?」

「ホントお前って融通がきかん奴やな」

え?俺が悪いの?って顔をしながら

「は?いや、だって実際そのとーりやし、全部知ってるからそう言っただけで何も悪いとは思ってませんけど?」

と伝えると更に

「バーカ、お前あーゆー時は『はい、ありがとうございます!勉強になります』って言っておけばよかろーが」

って言われました。

実はこれ、(あれから30年近くの年月が流れていますが)今だに自分の中で答えが出ていません。答えというのはいまだに「なんと答えるのが正解だったのかがわからない」ということです。

先輩が言うように『はい、ありがとうございます』って答えるべきだったのでしょうか?知ってることを教わって?なんなら知ってるのに知らないフリをして周りからも「松山はまだそんなレベルのことを教わってるのか」って思われながら?(知ってるのに?)

“なんじゃそりゃ、くだらねえ”

この時は(なんなら今も)そう思いました。

皆さま、どうか答えがわからない私にどうすればなんと答えればよかったのかを教えていただけないでしょうか?

自分自身であの頃のことを思い出すたびに考えますがやっぱり答えがわかりません。

例えば今の自分の環境に置き換えて考えてみましょう。

私が先輩で部下が目の前で仕事をしていたとして。

そもそも部下自身が明らかに出来ていなくて困っていたり、直接質問されたりして聞かれてこない限りは私から何かを伝えることはしないのですが、仮に私が部下に対して何かを説明した時に「あ、それ知ってます」と言われたら「おお、そうなの?やるなお前、頼もしいな」で終わると思います。

一方的にまるでマウントを取るようなカタチで何かを教えるという行為で先輩の自己満足を満たそうという考えがやっぱり理解できません。

たぶん、私は性格的にそういう忖度や慮るという気持ちが人よりも薄いのかもしれません。もっとその先の生産性や大目標に向かうことを優先したいですし、ちっぽけなプライドよりも安い先輩の自尊心を守ってやりたいなんて感情も少しも沸いてきません。

このエピソードを人に話すとやっぱり「松山さんって本当に主人公体質ですね、ブレないというか常に真ん中にいるというか。一応言っておくと、そーゆー時は『はい、ありがとうございます』で済ませるのが吉ですよ」って言われてしまいました。

そうかー、そうなのかー。

けどね、結局今も答えはわからないままです。

どなたか『どう答えるのが正解なのか』教えてくれませんか?

(良かったら下のコメント欄にご意見&アドバイスをお願いします)

*****

さて後半部分はそんな人間らしさがちょっと微妙な私が考える【仕事以外の夢】ってものを語ってみようかと思います。

正直に言うと「仕事以外の夢はありません」という一言で終わってしまうのですが、最近「松山さんって仕事以外でやりたいことや夢って無いんですか?」と聞かれて「無いですね」と即答したら会話が本当に終わってしまったので、ちゃんと考えてみることにしました。

では私自身の「仕事以外の夢の話」にしばしお付き合いください。

【欠陥人間は仕事以外に夢を見るか】

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