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使わなかったエリクサー

一応、説明しておくと、エリクサーというのはゲームソフト『ファイナルファンタジー』シリーズに登場するアイテムのことで、ゲーム内でも非常に希少価値のあるアイテム(味方のHP&MPを全回復)なんです。

その希少価値性から、ゲーム内で手に入れた多くのプレイヤーが「今使うのは勿体ないな、いざという時のために取っておこう」と考えて、結局最後(ゲームクリア)まで使用しなかった、という事例が多かったようです。

この現象のことを『エリクサー症候群』と呼んでいるようです。

いったい誰が名付けたのかは知りませんが、いつの頃からかそう呼ばれるようになったみたいです。

かくいう私自身も少年時代に『ファイナルファンタジー』をプレイした時には、まさにその通りで「よし、いざという時のために取っておこう」と考えて実際に使用することも無く、気が付いたらエンディングで結局のところゲームクリアまでエリクサーを使用することが無かった、ということを経験しています。

最初はね、自分自身も友人とゲーム談義する時の笑い話として「そう、結局使わなかったよね、エリクサーw」とか言っていました。

しかし、これ、笑い事じゃあ無いんですよね。

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先送りの人生でいいのか

『人生』なんて言葉を使用すると「なんて大げさな」と思われてしまうかもしれませんが、私はあまりそうは思っていないんですよ。

いや、前述の通り、かつての少年時代の私自身も同じ体験をしていて結局エリクサーを最後まで使用しなかったんです。

ただ、その時にちょっとゾッとしたんですよね。

最後まで使用しなかったのは私自身の判断ですよ。

けどね、せっかく用意されたアイテムを自分で手に入れたにも関わらずその恩恵を受けることも無く先延ばしにした結果を、ふと振り返ってみた時に「あれ?これって普通に損してない?」とも思ったんです。

この時のモヤモヤはほんの少しだけ自分の胸の中に残っていたのですが、それからもいろんな場面でちょっとずつ同じようなことを体験して、やっぱりなにかが引っかかるようになりました。

例えば誕生日などのお祝いの時のケーキ。

「食後にケーキを食べましょう」と言われながらも、ご飯を食べた後なのでもう完全におなかいっぱいで全然ケーキを美味しく食べられない。

(たぶん私がコース料理が好きじゃない理由はここなんですよね。単価的にもコース後半に出てくるメイン料理が一番高くて美味しいもののはずなのに、そこに行くまでの時間が長いことと品数の多さで結局おなかいっぱいになってて全然美味しく食べられない、という矛盾を感じているんです)

ちょっと話が逸れてしまったかもしれませんが、同じことを指していると思っています。

最後まで保護シールを剥がさないままテレビを買い替えることになるってこと、無かったですか?

こういうのも全部同じだと思っています。

少なくとも「今じゃなくてもいいや」という感覚で先延ばしにする行為は、自分の人生に対する不真面目さの証明のように感じています。

今やれること(やるべきこと)を後にする、という行為が根本的に人をダメにしているんだと思っています。

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その名も変人速攻

これはきっと生き方の話なんだと思います。(また大げさに聞こえるかもしれませんが)

かつてはエリクサーを使用することが無かった少年時代の私は、たぶんその時の気づきから生き方を大きく変えました。

ショートケーキのイチゴを最初に食べるようになりました。

保護シールも開封と同時に剥がします。

メールを開いたら、そのまま秒で返信します。

LINEも未読バッジが点灯した時点ですぐに開いて読んで、短いメッセージでもいいので必ず返すようにしています。

社長という立場になってからは更にそれが加速したように自覚しています。(案件が多いのと判断を迫られることが多いので後回しにすると本当に回らなくなるので、即決返信が基本なんです)

けど、社長という立場になる前からもうそうなっていました。

「先送りにしていいことなんか無い、絶対に人生を損にする」

そう考えるようになりました。

今現在の私は『ファイナルファンタジー』をプレイする時でも一切の躊躇無く必要な時にエリクサーをバンバン使用しています。

「ぐわぁ、あの時にエリクサーを使わなければよかったぁ~」という局面を、むしろ楽しむようになりました。

「使わずにクリアするよりもマシだ」と思うようになったからです。

悩んだら使う、悩む前に使う、即決、即断、即レス、パッと見て一瞬で物事を判断して即座に撃ち返す。

この行為を私は『変人速攻』と名付けました。

よく周りの人からは「松山さんって、本当に異常に返信が速いですよね」と言われることがあまりにも多くて、そのことから「どうやら世の中の多くの人はそうじゃあ無いんだな」と思った時に、この『変人速攻』が生まれました。(そう名付けたのでした)

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逆に言ってしまうと(多くの人に怒られてしまうかもしれませんが)、仕事ができない人ほど問題を先送りにする傾向にあると感じています。

いつまでもメールを返信しない。LINEの返事も遅い。なんならメールなんかを一度未開封状態に戻して後回しにする。

やらなきゃいけない、ってわかっていても「先に他のことをやってから考えよう」なんて精神をお持ちでは無いですか?

もし心当たりがある方はぜひこの『変人速攻』を使用することを強くおススメします。

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映画『人生に詰んだ元アイドルは、赤の他人のおっさんと住む選択をした』

そんな前置きから、実に美しくも緩やかに流れるような巧妙さでなんの不自然も無く、今回ご紹介させていただく映画はこちらです。

略称『#つんドル』という映画作品です。

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