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未経験から積み上げる!PdMとしてのスキルセットとマインドセット


自己紹介

こんにちは、ピクシブ株式会社のizmipoです。誰でも簡単に有償でクリエイターに作品をリクエストできる、pixivリクエストの開発・運用を担当しています。役割としてはプロダクトマネージャーで、今のサービスに携わるようになってちょうど一年が経とうとしています。

このnoteでは、自分がどのような経験からプロダクトマネージャー(以下、PdM)を志向したのか、そしてpixivリクエストチームとして具体的に何をやってきたかを紹介させていただきます。

読んでほしいターゲット

以下のいずれかに当てはまる人を読者として想定しています。

  • 創作活動とそれらを取り巻くコミュニティに興味がある

  • プロジェクト進行の経験はあるが、プロダクトマネジメント経験はない

  • ソフトウェア開発の基礎知識はあるが、ビジネス領域には自信がない

pixivリクエストについて

ピクシブではマンガが好きな人、絵が好きな人、小説が好きな人、ものづくりが好きな人など、あらゆる角度からそれらを愛する人・応援する人たちに向けて自社で20近いサービスの開発・運用を行なっています。

その中で私が担当しているpixivリクエストは、クリエイターが楽しく持続的に創作活動を続けられることを目的に、自分にとっての理想の作品を手に入れたいファンと、リクエストを受けたいクリエイターに向けたサービスを展開しています。
今では12万人以上のユーザーに親しまれており、pixiv上で公開されたリクエスト作品は、これまでに累計12億6千5百万回以上閲覧されています。

ピクシブにおけるPdMという職務

一般的にPdM職とは、チームと会社が正しいプロダクトをユーザーに届けるために、さまざまなスキル、ツール、チームを駆使し、プロダクト開発を推進します。ここで言う「プロダクト」とは、ピクシブにおいては主にユーザーに提供するウェブサービスのことを指します。

多くのPdMはプロダクト開発チームに所属し、ユーザー領域やビジネス領域との橋渡しを行います。時にそれぞれの立場から矛盾するインプットが集まることもありますが、それらにおいてもPdMが調整を行います。

PdMを志したきっかけ

前職では、IT系スタートアップにエンジニア職として関わっていました。当時30人にも満たない小さな組織であったため、言うなれば何でも屋さんという感じで、プロジェクトの立ち上げや進行を担当することも多かったです。右も左も分からないまま聞き齧った知識でプロジェクトを進行する、思えばあのときがPdMへの第一歩でした。
とある機能のコンセプト決定からリリースまでのすべてのプロセスを担当できたのは達成感もありましたが、同時にすべての領域でアウトプットの質の課題にぶつかりました。器用貧乏に見えてどれも及第点未満、これほど辛いものはありません。

では、何に注力すべきか。ちょうどその頃これからの生活で自分は何を積み上げていきたいのか、どんな状態になりたいのかを考えていた時期でもあり、そのとき出た答えの一つが「多面的な事象に対し、今より一つでも多くの角度からものを見れるようになる」でした。
働くうえでどんな振る舞いをしていたらその状態に近づけるか?を考えたとき、プロダクトマネジメントという役割は難しくも魅力的なものに見えました。

PdMとしてこれまでやってきたこと

ピクシブ入社後、代表的なものとしては、以下のことに取り組んできました。上からタスクの粒度が抽象→具体となっています。

  • FY(事業年度)単位の定性目標・定量目標の設定

  • プロダクト課題の優先順位決定

  • リサーチ活動

  • プロジェクトの立案

  • プロジェクトの進行管理

  • ユーザーコミュニケーション設計

  • 経理まわりのオペレーション設計・運用

もちろんこれら全ては自分一人でやったものではなく、チームメンバーと一緒に考え、実行してきたものです。
今回はこの中でも、その後のサービス開発におけるあらゆる場面でアウトプットが生きている「リサーチ活動」について簡単に紹介します。

PMMと共に推進するリサーチ活動

自分がpixivリクエストチームに入ったタイミングで、幸運なことに新しいメンバーがもう一人アサインされました。彼女が数値分析やマーケティング分野に非常に長けていたことから、自ずと自分がPdMとしてプロダクト開発を担い、彼女がプロダクトマーケティングマネージャー(以下、PMM)としてマーケティング戦略を担うという役割分担をする構成となりました。

プロダクトとマーケティングの両輪でサービス開発を進めるにあたって、互いの共通認識となるものが何になってくるかというと、例えば「プロダクトのビジョン・ミッション」「KGI」「ユーザーゴール」といったものがあると思います。
pixivリクエストはpixivの新機能として2020年にリリースされてから今年で3年になりますが、普段の業務を進めるにあたり、プロダクト立ち上げ当初に形成されたこれらの共通認識と現状のギャップに課題感を感じるようになりました。そこで、社内のリサーチャーの力を借りて「AS-ISを正しく知り、TO-BE(仮説)を立て直す」ことを目的としたリサーチ活動を開始しました。

リサーチ活動を通して得たもの・こと

個人的に最も収穫だと思うのは、ビジネス領域に対するスタンスの変化です。ここでいうビジネス領域とは、「主に経営メンバーと握る指標、およびそれらとプロダクト成長との接続に関すること」と読んでいただければと思います。

上述の読んでほしいターゲットにも「ビジネス領域には自信がない」と書いたように、これまでの自分は何となく「お金のことはよく分からないし、ちょっと怖い」と思っていました。前職でエンジニアとしてサービス開発をしていたときは完全にブラックボックスな領域であったのと、誤魔化しが効かないシビアな数字であるために、自分には扱う力がないと考えていました。

とはいえ、プロダクトの成長を語るうえで「事業収益」の軸は欠かせません。プロダクトマネジメントの書籍でも頻繁に取り上げられる3つの軸の図があると思います。

ユーザーに価値を届け続けるためには、いつまでにどのくらいの売上を獲得する必要があるのか。そもそもpixivリクエストは「より儲かることが正義」なサービスであるのか。pixivのいち機能としてどんな役割を果たすべきなのか。
リサーチ活動を開始した時点では売上目標はありつつも、こうした根拠が曖昧でした。そこで、複数回のワークを通して新たに立てた仮説と、PMM主導で実施したインタビューやアンケート調査とを組み合わせて出来たユーザーゴール、そして流通額の見積もりを元に、関係者と議論、相談を重ねました。

結果として、今のpixivリクエストが目指す状態に適した新しいKPIの設定と、FY2023のロードマップ作成に至ることができました。

今後の業務を通して伸ばしたいスキル

リサーチ活動のアウトプットとして、目標の設定やプロダクト課題の優先順位づけまでは出来ました。ただ何より重要なのは、これらを実際にプロジェクトに切り出して仮説検証プロセスを回していくことです。

一方、プロダクトの改修はその内容によってはすぐに変化を得られない場合も多いです。これまでも所謂「仕込む」タイプの改善を行うプロジェクトを何度か経験しましたが、得られるべき結果に対する期待値、特に定量的な評価が曖昧なものになってしまいがちでした。
今後進めるプロジェクトでは、期待値設定の精度を上げて、かつそれを明確な根拠をもって振り返る力をつけていきたいです。

これからPdMを目指したい人へ

エンジニアリング組織論への招待に、プロダクトマネジメントの目的として「プロダクトを終わらせないこと」というものがあります。弊社のプロダクトオーナーも大事にしている概念です。

多くの場合、プロダクトを終わらせず持続的に成長させるためにやることは無限にあり、それらをうまく実現するためにも様々な視座、着眼点、スキルが求められます。こう書くと、何から手をつければ良いか分からず焦ることもあるかと思います。

ただ個人的には、目の前に転がっている課題に真摯に向き合って都度学習をしていけば必要以上に恐れることはないかな、というスタンスです。
振り返ってみると、やれることが増えたなあと感じる一年です。これからもビジョンを共有するメンバーと得意不得意を分かち合いながら、画面の向こうのユーザーさん達に良い体験を提供していきたいです。

最後に

いかがでしたでしょうか。ピクシブでは、同じPdM職やチームで協力しながら活躍している社員が他にも沢山在籍しております。

記事をお読みいただき、ピクシブのPdM職にご興味をお持ちの方は、下記よりエントリーをお待ちしております。

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