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【3分で学べる偉人の名言】 歴史・哲学から学ぶ「自分自身を知ること」の難しさ


困難なことは、自己自身を知ること
容易なことは、他人に忠告すること

タレス(古代ギリシアの哲学者)

本日は私の好きな「哲学」から、「最初の哲学者」と呼ばれているタレスの言葉を紹介したい。

タレスは「万物の根源は水である」という解釈でこの世界の起源を追求した人で有名だ。

「この世に存在する全てのものが水で出来ていて、全て分解すると水に戻る」という解釈は、さすがに現代に生きる私たちにとっては“トンデモ理論”に聞こえてしまう。

しかし、タレスが活躍した紀元前500年頃といえば、この世界は「神様によって創造された」という考えが常識だった。

その考え方が当たり前だった時代に、他の可能性を疑うその姿勢こそが、タレスが「最初の哲学者」と呼ばれ、リスペクトされる所以となっている。

ちなみに、タレスは幾何学や天文学、航海術、土木術、政治学などのあらゆる学問に通じていて、古代ギリシアの七賢人の1人と言われているとてつもない天才なのである。

また、私たちもタレスの功績に触れて育っており、それが中学生の頃に必ず習う「半円に内接する角は直角である」という定理であり、タレスが証明したものとされている。

そんなタレスだが、ある日「困難なことと容易なことは何か?」という問いに対して、上で紹介した言葉を返したことが有名なエピソードとして伝わっている。

この言葉は、「自分のことを知ることがいかに難しいことか」を教えてくれると同時に、私たちには「他人からの的確な指摘が欠かせない」ことを教えてくれている。

話は変わるが、中国の唐の時代の第2代皇帝・太宗(李世民)は魏徴という参謀に対して「お前は俺のそばを片時も離れず、俺の悪口を言い続けてくれ」とお願いし、常に信頼のおける他者からの助言によって軌道修正をはかりながら政治を行っていた。

そのお陰で大唐世界帝国と言われる一大国家の基盤を築き上げることが出来たと言われている。

貞観政要

歳をとったり、権力を手に入れると、周りに忠告してくれる人がいなくなってくるのは令和の世の中でも変わっていない。

李世民はどんなに志の立派な人間でも、権力を手に入れることによっておかしな方向に進んで国を弱体化させてしまった先代の王たちの歴史を、しっかりと「自分ごと」として落とし込んで学んでいたのだろう。

そう考えると、耳が痛いことをチクチク言ってくる人にこそ、本当は感謝しなければいけないのかもしれない。

それでは、本日は最後に李世民が魏徴の死の際に放った言葉を紹介させて終わらせていただく。

「人を鏡としてはじめて、自分の行為が的を得ているかどうかがわかるものだが、私は鏡とする人物を失った。もう二度と自分の本当の姿を見ることはできないのだ」

李世民

今日はいつも以上に他人の意見を有難く聞けそうな気がする。

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