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インド気まぐれ旅③:歴史散歩とガンディーとG20のアーメダバード

アーメダバード(Ahmedabad:Ahmedの町、という意味)。最初にこの都市の名前を聞いたとき、インドの地図をまず見た。グジャラート州か。チェンナイからフライトで2時間15分。ムンバイをも越える。

・アーメダバード歴史都市
・都市としての世界遺産登録はインド初
・グジャラート州はガンディー生誕の場所
・アーメダバードはインド独立運動の思想の街
・現モディ首相の出身州でもある
・インド高速鉄道計画の最初のルート(ムンバイ~アーメダバード)

どこの地域にも、物語と見どころがあって魅力的だけれど、都市としての世界遺産登録、というのは、とても惹かれた。

いつもなぜか、ビジネスクラスのラウンジを案内されるけれど、人が少ないからラッキー
空港ロビーも時間帯によっては空いている
着陸前の風景

飛行機は、いつも3時間までのフライトであれば窓側、夜便やフライト時間が長かったら通路側を選ぶ。時間帯によっては、空の上の朝日を見ることもできるから、そんなときは窓側にするかも。

アーメダバード国内線に到着

到着時のロビーには、すでにインドのいたるところで開催されているG20関連の会合で、各外交団や政府関係者等が訪印する際のウェルカムボードやダンスがあった。(実際、会合はアーメダバード市内から車で30分程のガンディナガルにて実施)

ガンディナガルは、インド北西部グジャラート州の州都。グジャラート出身のマハトマ・ガンディーにちなんで名づけられた。意味は「ガンディーの町」。

Wikipedia

ちなみに、今回は行けていないけれど、ガンディナガルにはAkshardham Templeというラジャスターン州から運搬したピンク色の砂岩を使用して建立された寺院や、インドで唯一の恐竜博物館Dinosaur And Fossil Park Gandhinagarがあるらしい。

アーメダバードのホテル

さて、車で走ること30分ほど。市内のホテルに到着。Ahmedabadの街の印象は、特にこれといって目新しいものはなく、信号で車が停まる度に、物乞いの子どもたちが寄ってくる、そうだ、これが北部の都市の風景だった。そう思うと、そういえば、南インドでは、ほとんど遭遇しない。正直、目が合うと、窓のたたきも激しいものになるので、絶対に見ない。

ホテルの中は、異国だった。というか、デリーもそうだけれど、外の警備が非常に厳しい。今回、「気まぐれ旅」シリーズって書いているけれど、ほとんどはホテルの会議室に缶詰め状態で、最後だけ旧市街へ出かける(周りの皆さんに感謝!)。

チェックアウトの際に、"How's your stay?"と聞かれたとき、”Unfortunately, I was hardly in my room.” と冗談を言った。苦笑いだったホテルの皆さん。またいつか、ふかふかの絨毯とベッドに滞在できますように。とはいえ、周辺に緑が無いし、窓も開けられないから、毎日こんな場所にいたらきっと疲れるけれど。

アーメダバード国際空港
国際線空港内はより盛大なG20の装飾が
とても種類が多かった朝食バイキング
パンも常備10種類ほど

フルーツ、スープ、サラダ、肉や魚、オムレツ、パン、タイカレー・・・の後の、サラダお替り、ヨーグルトとフルーツ、デザートのパンとコーヒーで終わる。どんだけー。めっちゃ食べるけれど、めっちゃ運動するタイプ。

グジャラート料理のお店

ずっと同じ空間にいたら頭も硬直してくるし、無駄に疲れるので、一緒にいた人々オススメのお店へと街へくりだすことに。

こういう乗り方もあるのか!

目の前のバイクに子どもが後ろ向きで乗っていたので、写真撮らせてもらったけれど、その背後の街並みも同時に気になった。アーメダバードは、近年インフラ整備が急速に進んでいる、と言われるものの、まだまだ街のアパートが「死んでいる」と思った。暗いのは天気だけじゃない。街の活気は、初めて来た人々のほうが、敏感に感じるものだと思う。

アーメダバードに来たなら、ここはマスト!ということで、いざグジャラート料理を目指す。目に見えた人だかりと行列。「げ!めっちゃ人いるやん、どうする、並ぶ?」と一瞬迷うが、ここまで来たからには、食べなければ。お店に入って、名前を記入して、ひたすら呼ばれるのを待つ。

待っている間に、同じく待っていた家族の娘さん達に声を掛けられる一緒に行った人々。高校生だという彼女たちは、とても話しかけるのに慣れている、女優みたいなオーラを放っていた。私に、「あなたのことを、遠くから美しい女性だと思ってみていたの!」と、なんというできたお世辞を言う高校生だ。とりあえず、待っている時間、少しだけ楽しませてくれてありがとう、高校生たちよ。笑 

30分くらい経った後、ようやく呼ばれた・・・!

時間は15時頃だというのに、この混み具合!

席についた瞬間に手際よく出されるプレートと食事!これ、全部少しでも量が減ろうもんなら、すぐに足してくれる!「もう、いらないよ」というまで、とにかく足してくる!面白い!早いし、安いし、とにかく美味しい!特に、右側のバニラアイス、ヨーグルおかわりト、フルーツポンチのミックスのようなデザートが最高に美味しくて、こればかりは6回くらいおかわり。店員さんも、笑顔で足してくれた!笑

会議室の前にあった軽食
気分転換にジムで走る
そしてまた朝食

とにかくずっと、空港→会議室→部屋→空港→部屋→会議室の往復生活だったけれど、食だけは困らなかった!本当に有難い。こういうホテルに滞在すると、一番の問題は食事で、ホテル内はとてつもなく高いし、かといって外に出るにも、周りにほとんど庶民的な食堂やスーパーが無いことが多いので、どうしようかと思った。

アーメダバード旧市街ツアー

アッという間に日々は過ぎ、無事、任務達成し、最終日はアーメダバード旧市街ツアーへ。この日も、とにかく朝早くて、5時半起きだったけどね・・・雨模様だったし。でも、結論参加できて、旧市街探検が良かった!チェンナイでも、もっとWalking Tourができるようになったら良いな。

Shree Swaminaraan Temple
Ahmedabad Heritage Walk @ Shree Swaminaraan Temple

ヒンドゥー教の聖人、Swaminaraanが建てた6つの寺院のうちの最初のひとつ。旧市街を散策するHeritage Walkが、ここから始まった。

2017年にユネスコの世界遺産に登録されたアーメダバードの旧市街。街中に点在するモスクやジャイナ教寺院、ポルと呼ばれる集合住宅など、何気ない見どころがたくさんある。Ahmedabad Heritage Walk (Rs 300)。基本的に毎日開催しており、当日午前7時半頃から旧市街のこちらの寺院の門をくぐってすぐ右側の建物の2階で申し込みができる。

『地球の歩き方:インド』
とても立派な彫刻
旧市街地には、このような模様が描かれた壁が続く
旧市街で出会ったお母さん ちょうど外でアイロンをかけていた
旧市街の集合住宅

「ポル」と呼ばれる2~3階建ての集合住宅。雨が多いアーメダバードだから、住居はほとんど、少し高い場所に建てられている。

House of MG
Agashiye Restaurant
Jama Masjid 

260本の石柱が並ぶ礼拝堂。めっちゃ目の前に「女性禁止、写真撮影禁止」などという看板があったものの、ツアーで訪れていて、礼拝も無い時間帯だったため「特別に」許可を得た。

Sabarmati Ashram (Gandhi's Ashram)

ガンディーが独立運動の思想をここで育んだ。インド独立運動の象徴である、有名な「塩の行進」は、ここから始まる。

塩の行進とは、1930年(3月12日)にマハトマ・ガンディー並びに彼の支持者がイギリス植民地政府による塩の専売に反対し、製塩の為にグジャラート州アフマダーバードから同州南部ダーンディー海岸までの約386kmを行進した抗議行動のことである。

Wikipedia

・見ざる、聞かざる、言わざる
・野口米次郎 本:印度は語る(1936年)
1935年にインドを訪問した時の記録で、ガンディーとの会見についても詳しく書かれている。チャルカ(糸車)で綿糸を紡ぐガンディーの姿はインド独立運動の象徴となった。
・「ヴェーダ」は紀元前11世紀から紀元前5世紀にかけてインドで編纂された宗教文書類。「リグ・ヴェーダ」は、神々への讃歌を集めた書類。
・七福神のうち、弁才天、毘沙門天、大黒天はインド由来の神様。

ガンジーは、61歳のときに、この場所から28日かけて塩の行進を行う。
マハトマ(Mahatma)は、偉大な魂という意味。彼は、非常に成功した法律家であったが、しだいに人間としては成功を収めていないと悟る。

The Adalaj Stepwell

規模的には小さいものの、ここの井戸は細部にまでわたる彫刻が非常に美しかった。

様々な微生物が水中にいるのか、不思議な色をした井戸水だった。ふと、白神山地の青池を思い出す。暑い中での移動だったけれど、ここに来ずして本物のアーメダバードを知ることは無かった。

アーメダバード空港

空港内は人々でごった返しており、空港ラウンジですら席が無い状況だったけれど、2階にあったガンジーの軌跡は、やはりここの人々がどれだけこのガンジーが生涯に渡って伝えてきた非暴力運動が偉大なるものだったのか、受け継ぐ意思を感じた。

最後に

THE LUXURY COLLECTION

今回宿泊したホテルの部屋に、世界中のホテルとその土地で開催されている祭典や文化行事が紹介された本が置かれていた。持ち帰りOKとのことだったので、帰りのフライトで全てのページを興味深く読み進めていった。

「世界中の祭典を巡りたい」

そんなことを思った。インドだけで、精一杯なのに。時間がかかるけれど、ライフワークにもなりそうだ。どれだけメインの仕事が忙しくても、その土地の人々と語り、文化や言語を知ることは、人間としての誇りを育んでくれる、そんな気がする。

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