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昔話に学ぶ《へ》

『サルの生き肝』

そんなタイトルのお話があるのだよ

グロい

なんだか気持ちの悪いタイトル

インディージョーンズで

猿の脳みその料理を出されたシーンくらい

異文化に引くようなお話だろか

ともかく内容は以下、、、


むかしむかし、

竜宮城には

龍王さまや魚たちが楽しく暮らしていました。

その頃、

海老の腰はまっすぐで、

カニは前に歩くことができ、

亀の甲羅には割れ目が無く、

タコには骨があって歩くことができました。

ある時、

お姫さまが妊娠して

何も食べられなくなってしまいました。

そこで、

海老とカニと亀とタコは相談して、

サルの生き胆を獲って

お姫さまに食べてもらうことにしました。

そうして、

亀がサルを

竜宮まで連れてくることになりました。

亀は陸に上がり

「龍王さまが、

 頭が良くて立派なサルに会いたがっています

 おいしいご飯もあるので来てください」

と言い、

1匹のサルを騙して

竜宮まで連れてきました。

サルは、

竜宮のおいしいご馳走を食べ、

お酒を飲んで、

いい気分になったところで

小部屋で寝かされました。

サルがぐっすり眠っている

と思い込んだタコが、

「もうすぐこのサルは肝を抜かれてしまう」

と口を滑らせてしまいました。

それを聞いたサルは、

自分が騙されていたことに気がつき、

何とか助かる方法を考えました。

そうして、

大声で泣き叫び、

「浜辺の松の木に肝を干してきたのですが、

 雨が降ると肝が流されてしまいます」

と訴えました。

それを聞いた亀は、

急いでサルを連れて陸に向かいました。

ところが、

陸に着いたサルは、

ものすごいスピードで逃げていきました。

亀はどうすることもできず、

あきらめて竜宮へ戻りました。

竜宮では、

口を滑らせたタコは、

怒った海老とカニと亀によって

体中の骨を抜かれてしまいました。

このことを知った龍王さまは、

「サルの命を奪ってまで、

 お姫さまが喜ぶと思ったのか!!」

と怒りました。

この日から

亀の甲羅にはひびが入り、

海老の腰は曲がってしまい、

カニは横にしか歩けなくなってしまいました。

おしまい


これは!

いわゆる由来話

タコの軟体、亀の甲羅のヒビ、

エビの腰曲がり、カニの横歩きには

竜宮城が絡んでいたんだ。

あらまぁ。

理解の出来ないものを

理解の出来ないものにくっつけて

無理くり説明してしまう

昔の方の常套手段ですね

妖怪とか神様とか

幽霊なんかもそんな感じ

好きね

僕も割と好き

このお話

僕は知らなかったけれど

割と有名なんだとさ

鹿児島や沖縄、島根で

似たようなお話があるよう

「クラゲの骨なし」

「さるとくらげ」

「猿の肝」

という題名に

なったりもしていて

古代インドの説話集パンチャタントラ

にも似たようなお話があるんだと

サルの生き胆って何に効くの?

妊娠して何も食べられないからって

どうして猿の生き胆?

お隣の中国では

漢方で

猿の脳や頭が使われてるのだと

特に脳は高級珍味とされ

清王朝時代の宮廷料理、満漢全席に

提供されていたんだと。

お猿の肉は

日本でも昭和初めまで食べられたよう

寒中の猿の肉は、

黄色の脂がこってり付き、

砂糖で味付けしたような甘味があり、

比内鶏より数段美味い

という記録まであるくらい。

大正の初め頃までは、

毛皮一枚で

クマの毛皮三枚分に相当するほど高価だった。

とも記録があるくらい。

猿の肝は薬の効き目が熊以上。

猿の胆は、

子供の食あたり、カン、

馬の突き目の妙薬として高く売れた。

とも。

さて、物語に移ります…

これって誰が悪い?

誰が悪いわけでもない

きっと

タコ、エビ、亀、カニも

お姫様のことを思ってたし

竜王様も

お姫様のことを思っていた

新たな命を楽しみにしていただろうし

お姫様の身体も心配だったであろう

「猿の命を奪ってまで

 お姫様が喜ぶと思ったか」

その通りだ。

誰かを生贄にして

自身の命や新しい命が生き永らえる

この事実に気付かされた時

割とショックはデカい。

尚且つ

自身の健康のために

タコの骨を抜くという

拷問・体罰に手を染めた

亀・エビ・カニ

この事実はショックでしかない。

誰かの犠牲で物事は回っているべきではない。

もちろん

たくさんの生命によって支えられている

犠牲があるから自分が生きていることは

その通りではあるが

その上で、

社会があってルールがあれば

それを守らなければならない。

海の中でのルールは分からないが

他者の命を奪ってまで

利益を得ようとするな

というルールは存在しているんだろう

でもこれは

事前に言ってた?

事前に確認していた?

お姫様の身体が心配

新たな生命の誕生が楽しみ

この思いは共通だったはず

何が違った?

認識のズレ

そりゃそうだ

竜王様と

タコ、エビ、亀、カニ

同じ人生を歩んでいるはずがない

同じ生活歴ではない

タコ、エビ、亀、カニ

それぞれも違う

お姫様が健康であれば

猿の命を奪ってよい

この感覚は非常に危険

同じ種でないから

死んでしまってもよい

端的に言えば

そういう感覚だということ

タコ、エビ、亀、カニは

自分たちなりに一生懸命

考えたんだろう

自身の出せる最高のアイデア

絞りだしての結果だったんだろう

シークレット、サプライズ

秘密のプレゼントこそ

相手のことをよく知るべきであった

竜王様も竜王様で

エビ、亀、カニに罰を与えたこと

これはお姫様にとってどうなのだろう

きっとよくは思わない

相手のことをよく知り

相手のことを思っても

相手でないからこそ

100%成功するとはならない

これは自分と相手が違うからこそ

だからこその

思いやりや歩み寄り

相手のことを知る時間が重要

何故だと思う。

プレゼントでこんなことになるんだ

支援や教育の場でも絶対発生するだろうに。

自分勝手な

エゴや傲慢さ、偏見ではなくて

しっかりと事実に基づいた判断

データに沿った結果をもって

相手に配慮していかなければ

大きな失敗や事故に繋がるかもしれない

失敗や事故したくない

だから何にもやらない

ではなくて

それでも何かしら進むためには

何かはやらないといけない

だからこその

思いやりや歩み寄り

大事だと思うよ

思いやりや歩み寄り

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サポートがなんなのかすら理解できていませんが、少しでも誰かのためになる記事を綴り続けられるよう、今後ともコツコツと頑張ります!