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京都の『違和感』

"京都に関する謎解き本はたくさんありますが、ほとんどは京都の人が書いたものです。しかし京都の人にとっての謎と、観光客にとっての謎は違います。"2018年発刊の本書は、東京在住の不動産鑑定士による『観光客』が抱いた謎を『探究』徹底解明した一冊。

個人的には、京都人というより『外部』観光客から見た京都。という視点に新鮮さ、興味があって本書を手にとりました。

さて、そんな本書は"不動産や土地の価値を正しく知るサポートをする専門家"不動産鑑定士が、一週間の滞在で感じた、観光地というより『普通の京都』での【素直な違和感】を資料や文献を通じて謎解いているのですが。

『鴨川べりに並ぶカップルの平均間隔は3.70メートル(京都新聞)』や『舞妓は労働基準法が適用されない』といった【観光地で浮かんだ疑問】や『現在の京都御所は平安京ができた時の場所と違う』『不動産広告に"大文字山一望"というキャッチコピーがある』と【地図や広告を見て感じた事】を丁寧に調べていて、また京都について少し知れた気がしました。

また、とかく『京都本』は雑誌も含めて、毎年の様にでているわけですが、しかし京都に限らず『街』は【住んでいる人が見せたい事が必ずしも答えではなく】誤解も含めて『観光客』が眺めている【見たいと思っている『街』も大切】と『レイヤーの多様さ』が重要だと思っている私にとって、そういった意味で本書は割と良書ではないかと思いました。

京都に長期滞在する人の気軽なガイドブックとして、また日常の京都を覗きたい人にもオススメ。

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