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え?となった話

今やどこの職場にでもある話。

私の元友人にも似たような人が居た。

誰でも自分のことを認めて欲しいという欲求はあると思うけど、あまりにも自己評価が高くてそれが現実とずれていると不協和音を生む。例えば、皆が黙ってやっている普通の仕事をその人がやると「凄いでしょう。自分は○○さんをフォローしつつこれをやったんだよ。」というアピール。

別に凄くはないので周囲の反応が薄い。しかも、○○さんは出来ない人だ、ダメな人だという主張もついでにつけて来るというただの嫌なやつ。

大人なので特に注意されるわけではないのだが、「褒められなかった。誰も認めてくれなかった。」ということでバランスを崩して休みがちになる。

その理由が祖父や祖母は亡くなったとか、交通事故になったとか(実際には遭っていないけど)。この施設に来て1年ほどその様子を見て来て、「それが全部本当ならどれだけ不運なの?」というくらいネタが多い。

休むのだけど、言い訳のために毎日のように施設長に電話をかけて来たり面談をしに来たり。つまりは自己主張を怠らない。ある意味パワフルだなあと思う。
そのネタが尽きた頃、多分半年くらい前だっただろうか。「実は全部嘘で、うつ病で薬を飲んでいるから起きられなくて出勤できないんだ。」と言い出した。
普通の人は「そうだったんだ。よく打ち明けてくれたね。」と思うのかも知れないが、うつ病を騙るにはパワフル過ぎた。歪んだ方向にパワフル過ぎて、色んな事件と言い訳に周りを振り回し、自分に注目させることに励んでいた。同病名の方を含めて色んな人を観て来ているので違うんじゃないかなあ・・・と思っていた。

すると、数か月前、我が相方のKちゃんが我が施設へ就職して来て活躍し出した頃のこと。

今度は「あの人の言葉でお薬を飲むようになりました。労災にして下さい。」と言うようになった。
いや、薬は一年前以上前から飲んでいると先日言ったばっかりやん。
この手の人は誰かのせいにするチャンスを狙っているので、ありがちだ。企業にお金を払うように求めたり「全被害者を代表して言う。」などと言う。周囲は「全被害者って誰?」と不思議に思っているのだが。

問題は、ここで何もしていないKちゃんの責任にして労災を認めようとした施設側だった。

よくよく訊いてみたらKちゃんが言ってもいない一言でもあった。ちょっと調べてみれば分かることだった。

何と、Kちゃんの役職を取り上げると言い出した時には、私としてはスーッと冷静になって「そんなら私は辞めますわ。」と言った。

冷静に考えればれば労災も認定されない内容だ。何せほとんど関わっていないのだから。
何でも丸く収めれば良い、言ったもん勝ちだの世の中に傾きつつあることは分かっていたが、うちの長までもがそんなことを言うとは。

が、ねちねち怒るわけでもなく恨むわけでもなく、冷静に次の働き口を探し始めていた一週間後、「Kさんを降格になんかさせないよ。」と。その他諸々の話を話してくれた。一旦決めた流れが間違いだったのだと。

病んでいる人と話し続けると話している側も訳が分からなくなることがあるらしい。しかし、その話のおかしさを最終的には分かって貰えて良かったという話。

元友人にも似たようなことをしていた人が居たと書いた。
あれも大騒ぎだったし、何とか軌道修正して欲しいと山ほどの時間を費やしたが、根本に「働かずして金が欲しい。が、人脈も名誉は欲しい。」というのがあるので、どうしても相手や世間を悪にするしかない考え方を変えることは出来なかった。

人は弱いところがある。出来ないこともある。その弱さや出来ないことを認めるところから全てが始まるのだが、その努力を怠り、何かギラギラした嘘で装飾したり、誰かのせいにしてふて寝して、そのふて寝に飽きてもまだ生き方を変えられない人も居る。

ただ一つ確かなこととしては、そのやり方では何一つ動かないし変わらない。本当は誰も恨む必要などない。

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