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通勤電車における行動ランキング

私は平日はほぼ毎日、同じ時間の同じ電車に乗って通勤しています。

電車内をざっと見回すと、ほとんどの人がスマホを操作しており(私も含め)、寝ている人も結構いる印象です。


7人掛けの座席シートが全て埋まっていて、全員がスマホを凝視している様子は今では見慣れた光景ですが、数年前の私たちが見たら不気味に感じるのではないでしょうか?


しかし、そんな現代社会の型にはまってしまった人たちで溢れる中、我が道をゆく独特な行動をしている人もたまに見かけます。

電車内の行動を記録している記事があるかもしれないと思い、『電車 行動』と検索して調べてみました。

そうすると「電車内での過ごし方アンケート」みたいなものが出てきました。

そのアンケートでは、

1位 スマートフォンの操作
2位 睡眠
3位 読書
4位 電車内広告をみる
5位 景色を楽しむ
6位 勉強
7位 友人・知人と会話する



といったように、まぁ分かるなーという回答が多く、特に変わった回答は見当たりませんでした。

しかし上記のようなありきたりな過ごし方だけではなく、無意識のうちに変則的な行動をしている人をこの目で見ているのです(一時的な行動なのかもしれませんが)。


というわけで約3ヶ月間、記録してみました。

まるで痴漢のようですが、ただの観察ですので。そこだけご留意を…。
現代版の「考現学こうげんがくというべきでしょうか。

考現学とは
1927年、今和次郎こん わじろうが提唱。
現代の社会現象を場所・時間を定めて組織的に調査・研究し、世相や風俗を分析・解説しようとする学問。考古学をもじってつくられた造語。

考現学入門/今和次郎 著 藤森照信 編 



集計結果は、最後にランキング形式で発表します。

記録方法

記録の方法は至ってシンプル。

朝、私がいつも同じ時間帯に乗車する車両において、私が座った座席の向かい側の座席に座っている人たち(立つ場合は目の前の座席)の行動を記録します。

⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎

⬜︎⬜︎⬜︎私⬜︎⬜︎⬜︎
(7人掛け席の場合、こんな感じ)

iPhoneのメモで以下のように記録していきました。

9/1
MM⬜︎WM⬜︎M
スス⬜︎寝ス⬜︎ス

9/2
MMMMW⬜︎M
ススススス⬜︎ス

例えば、
M:男
W:女
ス:スマホを操作している
寝:寝ている
⬜︎:空席

を示します。


集計結果

3ヶ月間の集計結果です。
期間は2023/9/1〜11/30の間で出勤した73日間、計401人の行動が記録できました。


それでは割合が多い順から発表します。
順位が上がるほどレア行動をしていることを示します。





第15位
📱スマホを操作する(257人/64.1%)

予想通り、堂々の最下位にランクインです。約3人に2人がスマホを操作しています。電車以外でも暇さえあれば無意識にスマホを取り出して、息をするように操作している方も多いのではないでしょうか。今朝やっていたテレビでも約6割の人がスマホ依存症の自覚があるとのことで、もはや身体の一部となっています。ガラケーを操作している人もまったく見かけなかったので、ここ数年でスマホに取って代わってしまったんだなと実感しました。

第14位
💤寝る(104人/25.9%)

こちらも予想通りスマホ操作に次ぐ多数派となりましたが、なんと全体の1/4以上が寝ている結果となりました。帰りの電車で寝ている人は案外見かけませんが、朝の通勤電車はけっこう多い印象です。
十分な睡眠時間がとれていないと朝は特に眠たいですよね。電車内も暖かいし揺れるので、それも睡眠を誘う要因になっているのでしょう。


第13位
🗣️会話する(11人/2.7%)

平日朝の通勤電車なので個人での行動が多く、複数人で行動している例は少なかった印象です。複数人でもスマホ操作など単独行動をしているパターンも多く、一気に少数派となりました。
沈黙の空間だからか大声で話している人は少なかったように思います。


第12位
📖本を読む(10人/2.5%)

読書離れが進んでいる現代といえども10人に1人ぐらいはいるかなと予想していましたが、40人に1人とかなり少数の結果となりました。ちなみにこれは文庫本や参考書、マンガなども含め、書籍らしきものは全てカウントしています。
読書や勉強をするにしても、いまや電子書籍やSNS、アプリなどに取って代わっているのかもしれません。
今の時期は受験生だと思われる学生が参考書を開いている姿を見かけますが、紙の本を開いている人を見かけたら、現代においては割とレアな存在であるといえるでしょう。


第11位
👀周りをキョロキョロする(6人/1.5%)

これはまるで痴漢のように人間観察している私のことでは?と思われるかもしれませんが、私は怪しまれないようにチラ見しているのでちょっと違います笑
具体的には吊り革広告を見たり(昔に比べてかなり広告が少なくなった気がします)、人間観察をしたり、次の停車駅が気になってソワソワしていたり、などです。
携帯電話がない時代は手持ち無沙汰でやることなかったと思われるので、その時代の電車内はこの割合はかなり多かったんじゃないかなと思います。


第10位
📱タブレットを操作する(4人/1.0%)

iPad等の画面を指で操作していたり、タッチペンシルを使って何かを書いていたり、人によって様々な使い方をしていました。
最近は趣味以外でも仕事でサブデバイスとしてタブレットを使う方も多い印象なので、電車内で取り出さずとも、いつも持ち歩いている人は多いのではないかと思います。



第9位
✏️何かを書いている(2人/0.5%)

揺れる電車の中、バランスのとりづらい太ももの上で、ひたすら何かを書き続けている器用な人を2人発見しました。
1人はおばあさんがA4ぐらいのペラペラの紙に、もう1人は小学生らしき女の子が学習帳に(ぎりぎりまで宿題をやっていなかったのでしょうか)、無心で書き続けていました。

↓↓ここから先は同率1位(401人中1人)↓↓


💻パソコンを操作する(1人/0.2%)

これは数人いてもおかしくないかと思いましたが、意外にも401人中1人と少ない結果となりました。
朝っぱらから仕事に追われるサラリーマン風な人でした。エンターキーバチバチ音が静寂な電車内に響き渡っており、心に余裕が無さそうな感じでした。
移動中ぐらいは休息しませんか…。


📰新聞を読む(1人/0.2%)

かつては座席で紙の新聞を器用に広げている人が多いイメージがありましたが、上記でも挙げているように一気にデジタル化が進み、最近はめっきり見かけなくなりました。
今やスマホ1台あれば様々な情報は否応なく入ってくるし、電子新聞も普及してきているし、紙の新聞の需要が激減している中でもこうやって紙の新聞を読むオジサンはごく稀に存在しているのです。
絶滅危惧種で、もはや国宝といっても過言ではないでしょう。もし電車内で見かけたら大事にしましょう。



👜バッグの中身を探る(1人/0.2%)

何か大事なものでも忘れたのでしょうか。ひたすら手持ちバッグの中身を探っているOL風の女性がいました。
「絶対に持ってきているはず、家に置いてきているはずがない!!」
という必死な思いで探していたに違いありません。私もモノをよく忘れるのでこの気持ちはとてもよく分かります。
降車する駅までずっと探していたので、降りた後に目的のモノが見つかったかどうかは分かりません。でもこういうときって灯台下暗しで、大体洋服のポケットに入っていて、あんなに焦っていたのはなんだったのか、と恥ずかしくなるやつですね。



🪭扇子をあおぐ(1人/0.2%)

夏が過ぎ去り、だいぶ涼しくなってきた10月中頃でしたが、一生懸命扇子をパタパタと煽いでいるオジサンがいました。
自分の顔だけに風があたるような煽ぎ方ならまだいいですが、音が聞こえるほどダイナミックな煽ぎ方だったので、隣の人はちょっと迷惑そうな顔をしていました。
本人に悪気はないのだと思いますが、特に満員電車の中では周囲に気を遣ってもらいたいですね。



🎮ゲーム機を操作する(1人/0.2%)

こちらも数人いるかと思いましたが、意外にも1人という結果でした。今ではスマホで多くのゲームが楽しめるようになりましたし、ゲーム機を持ち歩く人も減ったのでしょうか。
その方は大きなヘッドホンをして、周囲に迷惑がかからないようにしていましたが、そのようすはとても目立つものでした。
集中しすぎて電車を乗り過ごさないようにご注意ください。



🃏カードシャッフルをする(1人/0.2%)

職業はマジシャンでしょうか、それとも単なる趣味なのでしょうか。色とりどりの絵柄がついたカードを色んなパターンで器用にシャッフルしている青年がいました。
朝の電車ではサラリーマンや学生が多いので、それは一際目立っているようすでした。周りがスマホを無意識に触る感覚で、彼はカードを取り出してシャッフルしているのでしょうか。
彼の得体が気になります…。


🔍虫眼鏡で指輪を観察している(1人/0.2%)

席の一番端っこにいたおばあさんが、左手に大きな虫眼鏡を持ち、右手に指輪らしきリング状のものをくるくるしながら、まるで鑑定士のように一生懸命観察していました。
これも上記のカードシャッフル青年のように、なかなかこのような行動を見ることができないので目を引く存在でした。
果たして、鑑定やいかに…。




以上が私の目で確認できた15種類の行動です。


ちなみにマスクをしている人の割合も同時に調べていたのですが、約62%という結果になりました。
コロナ全盛期ではほぼ100%の人がマスクをしていたときに比べて着用率はかなり減りましたが、風邪やインフルエンザ等が流行っている時期でもあるからでしょうか、過半数の人が着用している結果となりました。



顔を少しだけ上げて電車の中を観察してみると、多種多様な人がいて、想像のつかない行動をしている人を発見したり現代社会の動きを分析したりすることができました。

10年前からするとスマホ操作をしている人が大多数になるとは想像できなかったでしょうし、昨今のめまぐるしいテクノロジーの進歩をみていると、今から10年後にはさらに予想のつかない行動がみてとれるかもしれません。

なお、今回は平日朝の時間帯で、限定された路線で行った個人的な試みなので、他の条件や季節などによって結果は大きく違ってくるでしょう。また、母数がもっと多ければ、より面白い発見や分析ができたかもしれません。

ただ、この電車観察を習慣化してしまうといつか捕まってしまいそうなので、この辺でやめておこうと思います。

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