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『ただしい暮らし、なんてなかった。』

いわた書店の一万円選書で選んでいただいた本の中から、こちらを読了。
なかなか軽快で、思いあたることが多く、あっという間に読んでしまった。

1章 待つほうが案外うまくいく
2章 買う、選ぶ、手放す。モノと付き合う
3章 人付き合いの快適な距離と温度
4章 自分を養生する
5章 育ちゆく日課表、住まいクロニクル
おわりに

自分を大事にするとは、いかに難しい営みか。誰もが頑張ることは素晴らしいと教わってきた。だからこそこの世の中は、頑張らない方がずっと難しい。自分を守ったりいたわったりはあとまわしになるし、そうしたいとあまり堂々と言えないところがある。だからこそ、若くも熟練でもない四十代や五十代で少し歩みを止めて、もがく自分をいたわったり、いままで信じてきたものを前向きに疑ったり、ゆるめることが大事なのだ。

『ただしい暮らし、なんてなかった。』P230 

『おわりに』に書かれている文章が、この本の内容を端的に示していると思う。
仕事に育児に奮闘してきた著者が50代半ばになって、今を綴ったこの本。
私もあと10年したら子供たちにも手がかからなくなるだろうか。
しかし、今の私に十分すぎるほど響く内容だった。
生活を大きく変えたいという私の衝動は、「頑張る」ことを強要されると感じる社会から逃れたいという欲求も多分にあるのだろう。

「頑張る」ことに違和感を感じている方、都会での生活に疲れている方、効率とか生産性という言葉がちょっと引っかかる方、手に取られてみるといいかも。

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