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「今の自分と少し前の自分」

何かが焦げた匂いが漂ってきた。

これが田舎特有の匂いというものなのだろう。

様々な会話が飛び交う街中とは違っていて、

田園風景を眺めていると、異世界にでも来たように感じていた。

少しだけ落ち着き馴染むようになってから、

少し前の新鮮さとは違って、体中をむず痒さのようなものを伝う。

それを自ら欲していたのかも知れない。

いつの間にか草は育ち伸びて、自身の背丈を抜かれていった。

風も匂いもカラスも一体となって、覆いかぶさるようになった。

それら全てが、むず痒さの元になっていた。

今直ぐに逃げたくもなり、どっぷりと浸かりたくもなるもの。

このままでいいのだろうか。

このままここにいて、成長し続けられるのだろうか。

ふと想いを巡らす。


今の自分と少し前の自分。


このまま進んでいく。


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