飛行機雲が左から右へ

斜め右から左の方へ

真下から上へ

斜め上から下の方へ

すーっと伸びていく

そんなに急いで

何処へ向かって行く

セスナもヘリも忙しなく

頭の上を通り過ぎる

時折ちらつく

虫を手で追い払いつつ歩む

ススキの穂が首を垂れていた

何処へ向かっているのやら

実りも無いのに

急に目の前を

カワセミが勢いよく飛び出した

水面ギリギリに飛び去っていく

何処へ向かって行くのか

はっきりとわかった

ふと辺りを見渡すと

縦横無尽に伸びていた飛行機雲

すっかり消えて無くなり

セスナもヘリもいなくなり

空は空っぽになっていた

空っぽになった空と共に

その続きを

静かに歩くことにした

いつかは

いつの日にか

カワセミのようになりたいって

思い焦がれる

あの時出会った

貴女への恋心と共に