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フードロスを無くそうとしてフードロスを生みだす話

フードロスなくそう!って商品開発すると危険

突然、皮肉の効いたタイトルですが、これは本当に起こる事です。
フードロスを無くそうとして逆に発生したら本末転倒じゃないか、って
笑う人ほど危険だと思います。
そういう人ほどその立場になったらアッサリ廃棄を作りそうです。

まず、具体例からどういう事か説明しますね。

例えばパン屋さん。パン業界でよくあるのはリメイク術。
わかりやすいのはラスクですが、他にフレンチトーストなどもそうです。
焼き立てパンがその日売れ残りました。
ラスクやフレンチトーストに加工して明日も売ろう、みたいな事です。
ここで思考が止まった人はもう危険。
「え?フードロス無くす良い取り組みしてるじゃない??」

一番重要なのはニーズを踏まえて作るかどうか

ラスクやフレンチトーストの売れ行き予測をしたうえでリメイクメニューを作ったかどうか、というのが一番大事。
そこを考えずに「良い事をしてる」とリメイクするとその商品が期限切れになった場合、最初から捨てておくよりも二重で食材加工のコストがかかった事になります。
例えば平常売れるフレンチトーストが5個だった時に今日の売れ残りがいっぱいあってもフレンチトーストにリメイクするのは5個にしておきましょうって話です。

フードロスに限らないマーケティング視点

この思考や視点はフードロス問題に限らず平時の経営脳にも影響されます。
よく百貨店さんなどのかなり売れる特産コーナーのバイヤーさんがセミナー等で話すとそういう話題を触れる事があります。
また、プラスフードも誕生のきっかけが「楽天市場でのネットショップのノウハウを活かして」というのも一つの要素がありますが、そういう場のセミナー等でも聞いた事があります。

「皆さん、商品のウリとして海の幸たっぷりな○○、みたいな事言いますけどね、日本の都道府県、ほぼどこも海があるんですよ。
 もっと研ぎ澄まされた特長が無いと埋没しちゃうんです。
 そしてその特長は消費者のニーズを感じて作られているかがカギなんです。
 色々な生産者さんが自信の商品を持ってきてくれて有り難いんですけど、
 『良い物で作りたい』等が優先で、『これを消費者さんが欲しているから 作ってきました』っていう人は意外に少ないです。」

こういう話、耳が痛いかもって思うお店さんや生産者さんいませんか?
良い物で作れば美味しいんだから自然と売れるだろう、とかの見込みだと
売れ残った時フードロス一直線です。

もう一個の事例

新規に加盟してもらおうと営業していると遭遇するケース。
例:サンドイッチ屋さん
「食パンの耳、余ってませんか?それをプラスフードで出品しませんか?」
「あー、うちは全部ラスクに加工してね、廃棄ゼロになるよう工夫しているから」
まぁこれが個人経営のお店ぐらいだとそういう事も出来るかもしれません。
しかし、仮にこれがある程度の規模の工場だとそこまで言えるでしょうか?
例えば1日10万点のサンドイッチを作る巨大工場。パンの耳はそれに応じた量が出ます。
極端な話、サンドイッチの市場ニーズとラスクの市場ニーズがほぼ同数のボリュームでないとうまく行きません。
そしてそれは恐らく、多くの人はサンドイッチニーズ>>ラスクニーズと予想するでしょうし、実際そうなるでしょう。

ニーズ比率2:1だとすればサンドイッチ10万点に対してラスク5万点分の生産にしないといけない、という事です。
まぁ、そこまで話をすると大概「しつこいな・・・」って追い払われてしまう事が多いわけですが。

プラスフード加盟店さんには「お?君はそういう事情まで知って話してるのか。いや、実は廃棄も何割かあって困っていたんだよ」
という感じで懐を開いていただいたお店さんもあります。
本当にそれは感謝です。正直なお店さんですよね。

でも、現状、「フードロス無くしてラスクやってます!だから廃棄はありません!」って言って裏でこっそり廃棄している方が何故か賞賛されているというのもまた皮肉な現状だと思っています。
プラスフードはその点は打開していきたいと考えています。

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