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衣料品卸会社が何故食品ロス削減を手掛けるか?

運営元は洋服の老舗卸会社

実はプラスフードを運営している会社は創業100年まであとちょっとな札幌の卸売り会社です。
極端な事言うと、食品に今まで関係なかった会社でもやろうと思えばこういう事出来るから熱意と理解があれば誰でも出来ますよね!?っていう事でもあるかもしれません。
違う見方では食品に関係ないからこそ従来のしがらみとか関係なくフラットな関係から始める事が出来たとも言えます。

竹栄株式会社

ネットショップ事業部では

運営している会社ではネットショップ事業部があり、楽天などのECサイトで子ども服の販売をしたりしていました。
そして実際に北海道エリア賞をいただく等して、楽天Nationsという制度でショップが新人ショップさんに教える役回りとなった事もあります。
そういう意味では「ネットショップで売上を伸ばす為には」というノウハウを教えるセミナー講師的な一面で副収入というのもあったのですが・・・
現在の社長はそれを良しとはしませんでした。
「もっと違う形でこのネットショップのノウハウを活かせないかな・・・地域に還元する要素も含めて」
そんな話をしていた時に「これ!面白くないか??」と東京の事例が目に入りました。
それが「リデュースGO」です。(※現在はサービス停止しています)

企業が100周年を迎える時に札幌に貢献できる事業を実際にやっている事も今まで存続出来た恩返しにもなるしこれからも長く存続の為にこういった事が必要と考えました。

食品ロス削減×サブスク

ある意味私達はネットショップで楽天市場等に参加していてお店側の気持ちがわかるつもりでおります。
本当は楽天の担当者さんにこういう事一緒にやって欲しかったな、こういう感じだったら便利だったな、という経験はあります。

だったら、私達が楽天市場さん側の立場にたって、札幌のお店さんが良くなる仕組みも作れるんじゃないか??というのをリデュースGOを見ていて感じました。

そういう意味では万が一お店さんとユーザーさんの間で何かトラブルのような事があれば事務局が介入してユーザーさんに注意などをする事もしますよ、という珍しいスタイルはネットショップでの経験から来ています。
何かあった時、お店さんが恨まれる事ないように事務局側が盾となる事。
そういう想いがありました。

売った買ったの呪縛からの脱却

やるにあたって大まかに「割引方式」か「サブスク方式」かがありました。
私達はサブスク方式を選び、リデュースGOさんが停止した後は恐らく全国唯一の存在になったと思っています。
(もし他の地域でいらっしゃったらごめんなさい。教えて下さいませ)

割引型の方が理解されやすいというのはありますが、それをしなかったのもネットショップでの経験からでした。
私達は子ども服のショップなので、例えばプリキュアのパジャマなどを販売します。
しかし1年経つと番組が変わり賞味期限切れ状態になります。
楽天スーパーセールで超赤字の100円!として注文も割と入りました。
それはお客さんが喜んでくれたと思いたかったのですが・・・
なんと一部のお客様からクレームが来ました。
★1のレビューには「商品を100円とかに安く見せて送料が600円とか詐欺まがいの販売をする店」という趣旨のものがありました。

これが私達の感じる「売った買ったの呪縛」だと思います。
1円でも支払ったりすると、立場は売った側と買った側。
値段が半額だからクレームの勢いも半分って事はなく
怒りは100%の状態でストレートにぶつけられます。
100円で販売した物が「送料が高い」「裏地の糸が1cm飛び出てる」・・・
これでは正直、気持ちは疲弊します。

じゃあ思い切って0円でプレゼントするか

正直レビューで1とかつけられてしまうと、当時は楽天に「どうしてそうなったか、どう改善するか」等の始末書みたいのレポートしなきゃいけなかったですし、検索順位も若干下げられるというペナルティもあります。
良い事ありません。でも1年以上前の在庫処分はしたい。

そこでお店独自の福袋をページに見せておいて
「シークレット」の+1品をサプライズでつけるという手法をとりました。
そうすると「お店から思わぬプレゼント入ってました!」とレビューは高評価の連続に。
この体験が、食品ロス事業をやるにあたってのサブスク方式を選んだ理由です。
賞味期限が間近な物を割引でも販売するとすれば、それは途端にお客さんが買うという事で、何かあればお店に文句がいくかと思います。
しかしサブスク方式で、お店自体はお客さんに0円でプレゼントする方式なら、多少ちょっと予想とちがったパンの詰め合わせなどでもお店さんには喜びの感情を持ってもらえるかな、と。
その上で何かあれば「プラスフード」というシステム自体が悪いと批判は率先して事務局で受けるほうが良いと考えました。
これが「売った買ったの呪縛」を脱した方法であると。

先払い故の積極性

プラスフードが高確率でマッチングするのはサブスクで先に支払っているからです。
積極的に獲得へ動けば動くほどお得、逆に待ちの状態で出遅れてると損するという仕組みは自然と人が行動しやすいかと思います。
「安くなったので廃棄削減の為買いましょう!」何度もお願いしても人は中々動きません。

時代劇や歴史小説で道路工事を早く終わらせる方法として、班に分けて競争させて優秀な班に褒美を出すという事で作業者のヤル気を自然と引き出すという智将のエピソードが出てきます。
サブスクはそれに近いと思っています。

これが私達の背景です

ネットショップでの様々な経験が元になっています。
卸売り会社はある意味メーカーさんと小売店さんを繋ぐ事がメインです。
プラスフードでも「無償でいいから勿体ない事したくない」というお店の優しさと、「お店の都合に合わせてお伺いしますね!」というユーザー様の優しさ。
この両者の優しさと優しさを繋ぐ事も一つの卸売り的な思考かなと思っています。

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