ウェーイ考察

どーも、元お調子者です。

というわけで、ウェイウェイ系という陽気な若者が取り沙汰されて久しい。
イメージとしては、色黒屈強サングラス+細マッチョ+ビンの酒という出立ちがまず思い起こされる方も多いと思う。

嬉しいかな悲しいかな、高校大学くらいから「ウェイウェイ」言っていた人間からすると、便利な言葉を奪われた気持ちが少なからずあり、ビビって使えない事態に陥っている。

色白貧弱メガネ+ちょいポチャ+ビンの牛乳ほどの真逆メンではないにしろ、「ウェーイ」を言った瞬間に、「おっさん何言っちゃってんのウェイ!?」と言葉の撲殺に遭うこと必至。
限りなく使う機会は減っていて、もはや心の広辞苑の次の版では掲載見送りの憂き目にあうと思われるのであります。

ウェイ、ウェーイの使い方に関してはそれほどその系の方々と違いは無いと思う。
上がったテンションの言語化、様々な言葉の簡略化、そして何より仲間との協調、意思の疎通といった、他者に対する自己の発露に使われる。

おそらくは元々「いぇーい」「よーし」的な言葉が、平安時代くらいから少しずつ変わっていって、21世紀に入りめでたく「ウェーイ」になったと推測される。

昔は「いぇーい、ノッテるかい!?」と、「ノッテるかい」が割り箸の袋の爪楊枝ばりに余計に入っていた。
これは「おれはノッテるけどお前はどうだい?」と、協調ではなく強制を孕んだ呼びかけになっている。

しかし、「ウェーイ」はその一単語のみ。
まじりっけ無し。
何も足さない。何も引かない。

「ウェーイ」と言われたら「ウェーイ」と返す。
「ウェーイ」と呼ばれたら「ウェイ!」と返す。
「ウェーイ?」と聞かれたら「ウェイウェイ」と返す。

コミュニケーションとして成り立っているか使われない方には全くの宇宙語でしかないが、当人たちには立派に成り立っているという、ディスコミュニケーションのパラドックスがそこには存在する。(?)

試しに、海外旅行で全く言葉がわからない土地に行って、拙い英語でコミュニケーションを取ったとする。
おそらく相手もこちらも、言いたいことも言えないこんな世の中でのたうち回ることになる可能性が非常に高い。

しかし、海外だろうと大体人間なんてモノは大した違いは無い。
「ういー」「ウェーイ」と語り掛け乾杯すれば打ち解けられる。
※ただし打ち解けてすんごい話しかけられても何言ってるかは不明。

そんな力を「ウェーイ」は持っている。
事実、おれはタイに行った時にそれで乗り切った。
また生きて日本の土を踏めたのは「ウェーイ」のおかげ。
「ウェーイ」には足を向けて寝られないのであります。

さて、そんな元お調子者にも最近悩んだことがありました。
某テーマパークの某ビッグ何とかマウンテンに乗った時のこと、大学時代なんかは乗ってる時に「ウェーイ!」と言って、心身共に某ビッグサンダー何とかを楽しんでいたのが、歳を重ねるにつれ、微妙に小っ恥ずかしくて、なんて声を出していいかわからなくなる事態発生。

後ろに座ってる女子大生に「何このおっさん、ウェーイ言っちゃってんの!?」、海外から来た金持ち風坊やに「ジャパニーズおっさんがウェーイ言ってんぜ、耳から毛が出てるくせによ」と思われてる気がしてならない。

最初「ウェ」まで出たが、その後「〜ぅ」みたいな蚊の鳴くような声が続き、痛恨の「ウェーイ」失敗。
両手をバンザイして「ウェ〜ぅ」。
ここで卒業確定。

そこからは「フゥー!」「ワー」と無毒無害無味無臭無修正の当たり障りのない嬌声が某何とかサンダーマウンテンにこだまするのでありました。

これから色黒目指します。
来年、多摩川あたりで会いましょう。

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