どーも、いつまでもマンガ少年のおれです。
つーわけで、人生の難題というのはいつ降ってくるかわからないもんで、少し前に急にその時がやってきた。

これまた少し前に仲良くなった外国の方がいて、その方から「おれさん、何か日本のマンガでオススメありますか？」という質問をされた。
言われた瞬間に「なるほどですね」とできそうでできないサラリーマン風にリアクションしてはみたものの、如何せん何が答えなのかメンヘラ女子への対応策ばりに出てこない。

ちなみにその方は筋金入りのスラムダンクファンで、その好きが高じて日本に来ちゃったと言っても過言では無いレベル。
「スラムダンクの映画はリョータの背番号に合わせて7回見ました」と仰る始末。
自宅に完全版があるとは言え、映画1回しか見ておらず、リョータの背番号って6でしたっけって言ったおれとは天と地ほどの差があった。

そんなスラムダンクを神と崇める方に対し、何かマンガを勧めても、どうしたってスラムダンクと比べるし、微妙だったなと思われるんじゃねーかとおれの第ゼロ感が言っている。

無難なとこいってみよーと「じゃあみんな読んでるワンピースとかどうすか？」と言ったところ、「まだやってるんですか？100巻越えてますよね。長くてちょっと」と。
この時点でキングダムやらジョジョやらも億泰のザ・ハンドで消えていった。（おれは4部派）

確かにマンガをオススメしても貸すわけではなく、自分で買わないと読めないから巻数が多いのは食指が伸びないのは確か。

その方からは「完結しててスラムダンクと同じ30巻くらいのやつ、血が出ない方がいい」と追加オーダー。
条件がより厳しくなり「"女の子紹介して。結婚願望なくて30以下の処女"とか言っちゃうタイプだな、おめーは。全女性に謂れのある非難浴びちまえ」と心の声を抑えつつ、どうすっかなと再び思案に暮れた。

伝説級のマンガなら手塚治虫のブラックジャックとかいいんじゃねと思ったけど、流石にブラックジャック先生もお年を召していらっしゃるし、昔の単行本には恐怖コミックスと書かれてて読み手を選びそうだし、ある意味血よりすごいし、もう少し最近のモノで何かないか、脳内のおれ会議で協議が続行した。

泣ける系ならピアノの森とかいいけど、楽器やってないとあまり刺さらないかな。
マスターキートン面白いけど、ちょっと昔になっちゃうかな。
ザ・ファブルは間を感じ取れないと面白くないかな。
と、これまで読んで好きだった作品の範囲も少し広げて考えた。

だが、スラムダンクが好きなのであればいっそのことジャンプ系に絞ろうと思い立ち、「HUNTER×HUNTER」と言いかけたところでまだ完結していないことに気付きおれのオーラは絶になった。

買うのがハードルになるならアプリなら無料で読めるんじゃ！と名案を思いついたが、ジャンプラだったら、ダンダダン…これは終わってない…
スポーツ系なら忘却バッテリー…これも終わってない…
地獄楽！血がすごい…
と、条件を満たす作品が思いつかない。

ヤンジャン系で最近完結して面白そうなやつを考えた結果、「ゴールデンカムイどうすか」と提案した。
これは自信を持ってオススメ。
「どんなストーリーですか？」と聞かれたので、「明治時代にアイヌの隠し財宝のありかが網走刑務所に捕まってた罪人に刺青で彫られてて、それを第七師団より先に探す」というのをもう少し読みたい感じになるよう説明したけど、「明治？アイヌ？網走刑務所？第七師団？なんで刺青彫るんですか？」というごもっともなリアクション。

刺青は置いといて、確かに海外の方に日本の歴史や民族などが絡んでくると理解の範疇を超えてしまう。
触れてきた文化が異なるから、そこに面白さを見出せないという発見があった。
これこそ異文化コミュケーション。
回避するには北センチネル島民にうまく生まれ変わるしかない。

ちなみにゴールデンカムイをネットで画像検索して見せたところ、「絵の好き嫌い出ますね」とご感想をいただいた。
おいおい、それを言っちゃぁわからんよとなって、他に読んだことある日本のマンガがあるかを聞いてみた。

まさかの「カイジ」。
おれの視界の周りがぐにゃぁっとなり静かなはずの部屋がざわざわし始めた。

「あと学生時代にクロなんとか高校読みました」
え？そこ？クロマティ高校？メカ沢？
海外でも読まれてるの？

まさかのタイトルに、フルチン姿にボーリングの球当てられるレベルの衝撃を受けたおれは、鉱物と生物の中間の生命体になり、そこで考えるのをやめた。

〜pndの次回作にご期待ください〜