映画が問いかける『福田村事件』
見ておかなくてはという思いに駆られ、行ってきた。
映画『福田村事件』。
今年は関東大震災から100年。
それだけの年月が過ぎれば、当時を語る人はいなくなり忘れられていく。
人はなぜ差別をするんだろう。
そしてなぜ、集団になると間違った方向に突き進んでしまうんだろう。
今のように情報を得ることが出来なかった時代、田舎の村。
でもそれだから?
これだけ情報が溢れる現代も、フェイクが揺さぶりをかけてくる。
拡散してと言われる。
女性記者の言った、私は自分で見たことを書く。
旅の行商人の、朝鮮人なら殺してもいいのか。
村長の、私たちはこれからもここで生きていくんだ。
そんな台詞にハッとさせられる。
(記憶を元に書いているので、多少違います)
自分があの村にいたら、どんな行動をとるのだろう。
私はあの中の誰?と思ったけれど、やはりそれはわからないままだ。
正しくありたい。
でも自分ひとり「それは間違ってる」と言う勇気があるだろうか。
井浦新さん、田中麗奈さん、柄本明さんの役どころもよかった。
監督は予告で「エンタメです」なんておっしゃっていたが、面白おかしいエンタメではなく魂レベルに響く映画だった。
人の命や尊厳の話だから。
誰もがひとりひとり、名前を持った人なんだから。
最近、差別についてカウンセリングをすることがあった。
とても共感しながら、自分も心に問いかける時間だった。
そして今は、関東大震災後の朝鮮人虐殺について書かれた本を読んでいる。
映画『福田村事件』を見たら、何か答えがわかるかもと思ったけれど、わかった気がするだけかもしれない。
感想を一言で言うなら、多くの人に見てほしい映画だということかな。
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