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友だちはいいもんだ

風邪をこじらせている。

昨日は1日中ポンコツを絵に描いたようなありさまで、娘の夕飯やお風呂も夫に任せて、早々に休ませてもらった。

ただでさえ長引いていた風邪を、さらに悪化させてしまった要因は見当もついている。

土曜の夜、学生時代からのとても大切な友人が飛行機の距離からやってくるというので、ひさびさに夜の街へ出かけたりなんかしたからだ。

いつもなら娘と一緒に寝落ちしている時間帯に、小洒落たビストロで自家製サングリアと生ハム。極めつけは、22時半近くになって運ばれてきた、チーズとトリュフたっぷりの、小悪魔的に魅了してくるオムレツ。

「これはあれだね、翌朝胃もたれしてもいいや!って思えるくらいの美味しさだね」

ひさびさの再会と、ひさびさの夜の外出が嬉しくて、テンションも胃袋も調子にのった。

* * *

だからまあ、自分でふりかえってみても自業自得だよなあと思う。

でも今回ばかりは、それでよかったんだ、と思っていたりもする。それほど会いたかった友と、数年ぶりの再会なのだ。

出張が多く多忙な友人。いつも遠くから活躍をみまもっているけれど、こうして会ってしゃべる機会はめったにない。今回の来訪も出張の一環で、彼女、翌朝には市外へ移動して、登壇してプレゼンをすることになっていた。

「シナリオはできているけれど、まだスライドは完成してない!(笑)」。そんな状況でも、つかの間の語らいと美味しいものを。その時間をとってくれることが嬉しかった。

我が家へ泊まってもらうことになっていたので、タクシーで帰宅して、お風呂やら何やら済ませて、おそい眠りにつく(彼女はスライドの続きをつくっていたらしい)。

翌朝起きたとき、ものすごい胃もたれと、悪化した喉の痛みに、ああやってしまったなあと思ったけれど。

ついでにその後も1日中、這うような体調不良と、さらに発熱と頭痛で、ほんとにやっちまったなあ、と苦笑したけれど。

そんなときもあって、しかたないよなあ人生、と思ってしまう自分もまた、いたりするのだ。

* * *

実家への帰省と、友人の来訪で、この1、2週間のあいだ旧友に会う機会がつづいている。

高校からの友人、大学からの友人、フィジー留学やオーストラリアでともに過ごした友人。それぞれ背景も、いま身を置いているフィールドもまったく違うのだけれど、みなとても大切な友人だ。

彼女や彼らと話していると、自分にはない世界の話が聞けてとても新鮮でおもしろいし、同時に自分にしかない世界のことも改めて気づくことができる。自分のなかでは当たり前なこと、当たり前な感覚が、全然当たり前じゃないことに気づかされる。

でもそうして、おたがいに知らないものを伝えようとして、どう言ったら伝わるかしらと考えて話しているうちに、自分でも気づいていなかったようなことを発見したりもするのだ。

だれかとの関係性の中でしか、人は自分を見いだせない。ほんとうにそうだと思う。

友人との対話を、これからも大切にしたい。

そんなありふれたことを、最近改めて強く思う。

……まあでも、22時過ぎてからの油ものと風邪ぎみの夜更かしには、くれぐれも気をつけよう。

学生時代からの友人と会っていると、ついついあの頃の感覚で、無茶できる気がしてしまうんだけれども、ね。

自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。