花と遺詩
血痰の出てのちに観る散り桜やがて常世の扉を開く
血痰の出てのち吹雪く花びらに真白い衣濡らしゆきつつ
血痰の出てのち吹雪く花びらを集めて死者を今喚ぼうとし
観桜に高橋睦郎『花行』抱き遺詩は静かに電子に眠る
花筏流れる午后に子らあそび鴨追い立てるこころ真白く
花筏流れる午后に子らあそびひとりからだを日傘にゆだね
ネメアに眠るティエラに
春の街象牙の館その奥に眠れるきみに身を重ねつつ
春の暮臥せる日々にも倦みねむる身には歌なき造花群れなす
2024.04.13
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