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珈琲が飲みたいんだよーっ!  〜お茶か牛乳どちらがいい?〜

食事介助の仕事、前回のお話は…
ムード歌謡曲を聴きながら入居者さん達はモリモリ良く食べてくれ、「幸せ」と呟くおばあちゃんにほっこりしているワタシであった。

本日のBGMは民謡。ソーラン節がなかなかパンチを効かせてくれる。

あっそーランっ そーラン。はいはいっ!

頭や手でリズムを取ってる方もいらっしゃる。首を振って楽しそうにしているが、食事介助では勢い余ってスプーンを鼻に突っ込みそうになるから気をつけなくては。

声はでないけど、口ずさもうとしている。「歌、お好きなんですね」と声をかけると、じっと見つめてゆっくりまばたきしてからコクンとうなずく。

隣のお爺ちゃんは一人でモリモリ元気に食べる。早く食べ終わると、周りの皆が食べ終わるまでじーっと待たなきゃいけない。

「何か飲みますか?お茶か牛乳?どっちがいい?」と職員さんが聞いた。

「ああんっ?」(聞き取れない)
「お茶か牛乳飲みますか?どっちがいいですか?」
「あぁ?」(再び聞き取れない)
「お茶か、牛乳 どっちがいい?」

「…んん……わしゃ…珈琲が飲みたいんだよーっ!」

お茶でも牛乳でもなく珈琲と答えたお爺ちゃんにみんなで笑ってしまった。

「珈琲ないよ〜っ」って笑っていた職員さんは、しばらくしてどこからか持ってきたのか ニコニコしながら珈琲を持ってきた。なんて優しい…繰り広げられるいろんな優しさにほっこりする。

「わしゃ、酒が飲みたいんだよー!」じゃなくてよかった 笑。

つづく。

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