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【#パリでシンプルライフ】フランス生活20年目を迎えて

2004年8月31日、深夜。
日付がそろそろ、9月1日になろうとする頃。。。  

それは、私がフランス・リヨン・サン=テグジュペリ空港に降り立った日。  
つまり、ここから、今のフランス生活へとつながる原点ともいうべき日。  

今年の日本は、猛暑日が続いているとのことだが、あの時も猛暑とまではいかなくとも、結構な夏日が続いており、日本の感覚で来てしまったものだから、リヨン到着時、あまりの寒さ、そして、長袖関係を日本から船便で送っていたこともあり、到着早々、慌てて、リヨン市内まで、長袖を買いに行ったこと。。。

やはり、到着初日(厳密には、1回寝て翌日ということではあるのだけれども。。。)の行動は今でも、鮮明に憶えているもの。。。

そこから今日まで。。。リヨン近郊、市内含め12年を経て、現在のパリ。。。

正直なところ、うーん、そんなに時間経っていたっけ?っていうくらい今までのことがチャラになるくらい、実感がないっていうのが本音。

別にすごくフランスが好きで、どうしても。。。

というわけでもなかったし、現在の仕事も、日仏関係の仕事でもない。。。ごく普通の1社会人、そして、家族もいて、

日が昇るとともに起きて、電気を消すと共に就寝。。。
どんな日でも、基本その繰り返し。。。

はっきり言って、日本だから、フランスだからというわけでもなく、ただ淡々と、目の前にあることを繰り返してきた。。。

それだけに過ぎないと思う。とてもじゃないけど、褒められたものじゃない(苦笑)。それは、はっきり言って、フランスにいようが、日本にいようが、世界中どこにいようが、人間であれば、誰でも普通に行なっていること。

それと、ひとさじの自分の趣味と。。。

とは言っても、私の場合、それがカメラだったり、レース編みだったりするわけなのだが、特にカメラに至っては、日本にいた大学生の頃から始めた年季の入った筋金入り。。。なので、それもはっきり言って、フランスじゃなくても。。。という感じ(苦笑)。

ただ、こうやって振り返ってみて、1つだけ言えることがあるとすれば、

どこにいても、常に身軽な装備で、自分のペース、自分の居心地のいい距離感、空間を保ち続ける。。。

それだけは、フランスにいても、守り続けたことなのかなとも思っている。
人間、いろんな人がいれば、いろんな性格があるので、どれが合っているのか?本当に同じ在仏日本人でも千差万別だと思っているので、一概にこうだと言い切れない部分はあるのだけれども。。。

私の場合、生まれた時から左利きということが一番、人生の核になっているとも思っていて、他も含めると、断然、マイノリティー側で学生時代から過ごすことが多かったというのも大きい。特に、左利きに関しては、世代的にもクラスに1人いればいい方。

もし、左利きで不便が生じる場面でも、周りに前例がないので(両親、先生ですらも右利きなので)、嫌だから避けよう、止めようとかそんなレベルじゃなく、誰に言われなくとも瞬時に対応判断が求められる場面、経験が結構、子供のうちから普通にあったので、イレギュラーを受け入れることが身近にあったのが大きかったと思う。今みたいに左利き◯◯なんて便利品もない時代だったので。

特に日本社会の場合、特に我々世代の学生の頃、特に典型的な例なのが、

友だち100人できるかな。。。

とか、

大人数で何か、一緒のことをやる。。。

ということを、潜在的に植え付けられているようなところがあると同時に、マイノリティー側へ行くのが怖い、人によっては拒絶っていうのも随所に感じられるのだが、私の場合、この左利きということで、物理的な面で最初からマイノリティーだったいうことが大きく、そこで、

別にみんなと違っていても、別になんてことはないんだ。。。

と思いながら、ある種、子供の頃から生きてきたようなところがあって、また、逆に人と違うことで得られるメリットだったり、左利きであったことで、人からすぐ覚えてもらえたり。。。という経験もしてきたので、子供ながら、すでに、マイノリティーは決してネガティブなものじゃないということ、もちろん、卑屈になる必要もないし、あと、何かあった時のあしらい方を当時は全く意識したこともなかったが、このことを身につけていたことが多様性が常に求められるフランス社会でも抵抗なくいけたのが、結構、大きかったように思う。あと、左利きだったからこそ、

あっ、あれなかったら、工夫すればいいや。。。

みたいな日本人らしからぬ緻密さゼロの適当さ。。。(苦笑)そこが、あれがないと。。。で固まらなかったというのもかなり、大きかったと思う。

だから、精神的なものからくるマイノリティーとは違うのかもしれないけど、物理的に子供の頃からそうならざるを得なかったことが、こちらの生活で大いに役に立った部分が大きいと思う。マイノリティーに対する抵抗のなさ、そして、人それぞれだからねの精神。。。

なので、核の部分は今でも、自分自身、日本時代とそんなに変わっていないと思うし、日本だから、フランスだからだったり、よく海外在住者にありがちな西洋かぶれでもなく、常に自分の中のフラットな目で、自分にとって心地いいものを掻い摘んでいった結果が今なのかと思っている。

その心地いいものですらも案外、フランスのものじゃなかったりする。。。(苦笑)
でも、それすら、自分にとって心地いいものを選んでいるわけだから、それでいいんだと思う。

多分、これからも基本は変わらないと思うし、また、20年後、どこにいるかわからないけど、フットワーク軽く、程よい距離感で、自分にとって心地いいもの、そして、基本的な生活ペースと少しの趣味。。。

これだけあれば、ある程度ライフラインさえ整っていれば、どこにいても、生きていけるだろう。。。

と小雨降る曇天のパリで考えてみたのであった。

Paris, France ( 2023 )

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