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掌編小説「雷鳴」(200字)

街で小さな雷鳴を見つけた。


私を威嚇しているのか、此方に向けて唸っているように聞こえる。だがその音は今にも消えてしまいそうなくらいに微かだ。


私はその雷鳴を連れ帰ることにした。ペットなど飼ったこともなく、生涯孤独を貫くつもりであった私ではあるが、自分なりに、懸命に、世話をした。


不安ではあったものの、我が家が随分お気に召したようだ。私が仕事から帰ると、穏やかに彼の声が轟く。姿は見えないが、元気にしているのがわかる。


数日が経ち、嵐の夜に彼は空へと帰って行った。


私の部屋は今、静けさに包まれている。




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