pokazo(ぽかぞー)@創作

オチのあるショートショートが好きです。 自分でもサクッと読めるものを書いています。 …

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オチのあるショートショートが好きです。 自分でもサクッと読めるものを書いています。 皆様の作品たのしく拝見しております。 twitter やってます 基本フォロバします。 国語の塾講師&シナリオを勉強中 love japanese

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シナリオ「雪は黄昏」(2700字)

①レンタカー店、店内(夜) 若いカップルが楽しく会話している。 木戸有吾46が返却手続きを済ませる。 木戸「またのご利用をお待ちしております」 木戸、笑顔でカップルを見送った後、無表情でシャッターを降ろす。 同、外観。店の明かりが消える。 ②木戸のアパート(夜) 玄関ドアの前。コンビニのビニール袋を手に帰ってくる木戸。 なにかを見つけ、顔をしかめる木戸。 ドアの前に一匹の猫が座っている。 猫「よう、また来てやったぞ」 木戸「頼んでないが」 木戸、鍵を開

    • 140字小説「登校」

      • 「船出」(3500字)

        ①とある小学校、校庭 子どもたちが数人遊んでいる。 少年が蹴ったサッカーボールが校庭の外へ転がっていく。 原大輝(21)が転がってきたサッカーボールを拾い上げる。 大輝「はい、どうぞ」 少年A「ありがとうございます!」 大輝が笑顔で去っていく。 少年B「今の誰やろう? 知っとる?」 少年A「さあ? 島の人ちゃうんかなあ?」 少年たち、ボール遊びを再開する。 ②原家(夜) 居間。囲炉裏で沸かした茶を、ゆっくりとすする原幸三(76)。

        • 140字小説「干潟」

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        シナリオ「雪は黄昏」(2700字)

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        • みじかいやつ
          40本
        • ながめのやつ
          16本

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          シナリオ「雨粒」(3200字)

          ①とある更生施設、雑居房(朝) 狭い畳の部屋、格子窓。二つの布団。 内一つ、静かに目を覚ます清水良(15)。 教官の声「全員、起床ー!」 素早く布団から出て部屋の入口に立つ良。 教官の声「扉の前に整列ー!」 起きる気配のない、もう一つの布団。 入口の小窓から室内を覗き込む教官。 教官「もう一人は?」 良「さあ」 教官、舌打ちをした後、鍵を開け入室。 教官「おい、いつまで寝とんるや!」 布団を剥ぎ取られ、驚く同室の少年。教官に胸ぐらを掴まれ無理矢理立たされる

          シナリオ「雨粒」(3200字)

          掌編小説「舞い散る」(100文字)

          宮廷画家だった妻は、王室からの依頼で遠い東の国へと旅立った。 しばらくして帰って来たのは、冷たくなった彼女と名も知らぬ花の絵。 外国人排斥を謳う犯人への激しい怒りと共に、妻が描いた彼の国の美しい景色が私の心を揺らした。

          掌編小説「舞い散る」(100文字)

          掌編小説「双曲のトワイライト」(260字)

          宮廷音楽家である父の命令に従い、諸国を回り修行を積むこと早十年。 帰ってきた私のフルートの音色に、父も満足したようだ。 父が退出した後、姉が私の部屋を訪ねてきた。 杖をついている。 ああ、姉さん。生まれつき視力が弱かった姉さん。 ついに光を失ってしまったのかい。 言葉を失う私をよそに、最愛の貴女はピアノに座る。 彼女が奏で始めたのは、かつて私が貴女へ送った曲。 楽譜の読めぬ貴女のために、幼い私が作り、諳んじた曲。 私も吹こう。貴女に寄り添って。 「明るい…

          掌編小説「双曲のトワイライト」(260字)

          掌編小説「悪夢」(80字)

          夢を見た。全てを失う夢。 地位も、富も、愛する人も、なにもかも。 目を覚まして理解する。 地位も、富も、愛する人も、初めから俺にはなにもなかった。 現実こそ、最大の悪夢。

          掌編小説「悪夢」(80字)

          シナリオ・センター 基礎科 全11課題(pdfファイル)

          シナリオ・センターとは  シナリオ・ライターを養成する学校である!多くの脚本家、作家を生み出しており、僕のような素人でもここで学べば、プロの作家になるのも夢ではない!・・・はずです。 東京校 大阪校 というわけで基礎科の授業(全12回)を受けてきました。基本的には人物、セリフ、ト書きと言われる映像描写からなるドラマ脚本の書き方について学びます。  ここではその授業ごとに出された課題をまるごと!pdfで置いておきます。荒削りで無茶苦茶な部分もありますが、なにかの参考にな

          シナリオ・センター 基礎科 全11課題(pdfファイル)

          掌編小説「汗まみれのトド」(1200字)

          「次はトド先輩、やりませんか?」 その声を聞き、柔道部三年、東堂(とうどう)が無言で新入部員の田原(たはら)に目を向けた。 田原は高校生に上がったばかりの一年だが、中学で全国ベスト16という結果を残している。 その田原と組んでみたい、という声が部員から上がるのは自然なことだろう。 すでに数人の上級生からあっさり一本を奪ってしまった田原が、逆指名したのは三年の東堂。 入部して半年ほどの東堂に、輝かしい成績はない。 部員不足に喘いでいた柔道部顧問の私が、彼の巨躯に目を

          掌編小説「汗まみれのトド」(1200字)

          ショートショート「別れと涙とブーメラン」(600字)

          こちらの企画に参加します! お題は「ブーメラン発言道」です。 夏が終わろうとしている。 この高校の部活動では、ほとんどの三年生が夏を以て引退する。 そしてこの部室には、唯一の三年生である俺と、後輩が3人。 「うぅ…先輩ぃ…」 涙もろい二年のヤマザキ。 「しっかりしろよ、次はお前が部長になるんだぞ」 「…はいっ!」 意を決したヤマザキが、そばにあった水の入ったバケツを持ち上げ、勢いよく頭の上でひっくり返す。 「先輩…カゼ引かないでくださいね!」 なんというブ

          ショートショート「別れと涙とブーメラン」(600字)

          掌編小説「カレーを作ろう」(200字)

          女のカバンから出てきたのは、廃棄寸前の見切り品ばかりだった。 古くなった人参、色の悪くなった豚肉、腐りかけの林檎。なにもわざわざ、こんなモノばかり盗らなくとも。 謝罪を繰り返す女を見ていると、胸が苦しくなった。 先日、俺も妻に見捨てられたばかりだ。 そう、今この部屋は、ゴミ箱のよう。 俺は女をそこから追い出すように帰し、盗品は自腹でレジを通して持ち帰ることにした。 人生、初挑戦、今日はカレーを作ろう。 俺はまだ、腐ってない。

          掌編小説「カレーを作ろう」(200字)

          掌編小説「涙橋」(300字)

          江戸にまで噂の届く、大工泣かせの涙川。常識外れのその急流、幾人の名工が挑んで橋の一つも架からねぇと来た。くやし涙を飲み込んで、川の流れはさらに勢い増すばかり。 白羽の矢が立ったのは、江戸の若い大工、清太郎。清太郎には弟があった。元々体の弱かった弟は、流行り病で虫の息。 金が欲しい。弟に薬を買ってやるための金が。 そんな清太郎に、親方が話を持ってくる。 涙川に橋を架けろ、清太郎。前金の二十両は今お前にくれてやる。これで弟に薬を買ってやれ。 泣いて喜ぶ清太郎、しかし一向

          掌編小説「涙橋」(300字)

          掌編小説「don't mind」(400字)

          ラテン系アメリカ人の明るい母と、日本人の真面目な父。二人が出会ったのはアメリカらしいが、私が物心ついた時にはすでに日本に家を構えていた。 幼少の頃の記憶として強く残っているのは、毎晩母が昔話を読み聞かせてくれたこと。母のつたない日本語で聞く桃太郎や、カチカチ山がとても好きだった。たまに父が読み方を訂正するのが、なんだか幸せだった。 私が日本で困らないように、と、できるだけ英語ではなく日本語を使って家族の会話をしてくれた。周りの子どもたちが英会話を習う中、私は漢字の勉強をし

          掌編小説「don't mind」(400字)

          54字の物語「求道」

          54字の物語「求道」

          短歌三首 (ライラック杯)

          こちらへの参加作です! 俳句、川柳に続いて短歌もよろしくお願い致します! 1 アメンボの 世界を笑え 大都会 夢浮かべては 花と散りゆく 2 青き日の 異国の空の 赤き陽は 変わらず今も 燃えているのか 3 快天の 僅かな雲も 斬り裂いて 名手の弓か 翼放たれし

          短歌三首 (ライラック杯)