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コーカサスから中東へのバイク旅行 (その86)

2023/10/22  (その2)

店を出てキルクークを目指す
地形的な変化が乏しい道をひたすら走る
、、、変換が乏しいと言っても、それなりにアップダウンはあるしこれから向かう南の砂漠地帯なんかと比べれば、まだまだマシなのかもしれない
どこまで走っても景色が変わらない土漠の道を灼熱の気温の中、ひたすら走る、、、耐えられるかちょっと不安だ
インドも大概だったけど、アラビア半島はさらに暑いんだろうなぁ
今は冬になりつつあるのでだいぶマシだけど、来年の予定もちょっと考えないといけないなぁ
そろそろキルクークに到着するんじゃないかと思われる頃にまた軍のチェックポスト
街の出入り口に必ずある

イラク連邦とクルディスタンの境はここになる様だ
なので他のチェックポストと比べてかなり厳重
自分も止められてパスポートを提示すると、すぐに別の場所に行けと指示され行った。先に3人の私服の職員がいて、自分のパスポートを確認してイラクのビザがないから引き返すように指示してきた
何とかならないかと交渉を試みるがこんな時に限って、スマホ翻訳が使えない
電波の受信は悪くなっていないが接続状態は3Gになっている
3Gでも何とか使えそうなものだが何度試しても翻訳アプリのエラーで翻訳できない
3人の職員たちの態度も悪く、馬鹿にしてるようにニヤニヤしながらヤッラヤッラと言っている
どうも状況的に交渉ができそうな雰囲気ではない
翻訳アプリが使えて、意思疎通できたとしても、どうもここを通してもらえるような気がしないので、諦めて引き返すことにする

チェックポストから100メートルほど戻ったところにガソリンスタンドがあって、そこの建物の日陰にバイクを駐車しトルコとの国境で働いている職員のシーファと連絡を取ろうとするが、WhatsAppも使えない
Chromeも開かないのでネット自体につながっていないようだ
しかし表示は相変わらず3Gと表示されている
途方に暮れていると、スタンドのスタッフが水をくれた
その彼にスタンドのWi-Fiが使えることを教えてもらい、Wi-Fiにつないでシーファに助けを求めるメールを送る
しかし、彼からの返信は返ってこなかった(彼からの返信は数日経過した今でも無い)
結局、国境でシーファと他の国境職員達が言っていたクルディスタンビザだけで南も旅行できると言う話は出鱈目だったことがこれではっきりした

これからどうしようか考えて脱力中の自分に先程のスタッフがケーキやクッキーを持ってきてくれて、椅子に座ることを勧めてくれた
彼はムハンマドと言う名前で、片言の英語をしゃべる
バングラデシュから出稼ぎに来ていてもう8年もここで働いていると言う
後からこのスタンドのマネージャーがやってきた
彼の名前はモハメッド
モハメッドは以前アメリカ大使館で仕事をしていたらしく、かなり英語がしゃべれる
彼に今の状況を話し、何か方法はないか聞くと、スレイマニヤの役所でイラク連邦を訪れる許可証?が作れると言う
しかしそれは現地人用で、外国人でも作れるのか?と確認したが大丈夫じゃないかと言う
お?少し希望の光が見えるような見えないような、、、今までのいきさつから現地人の情報を完全に信頼する事は出来ないが、行き詰まった今の自分に目標、やることが出来たのは良い事だ
モハメッドにスレイマニアの役所の場所をGoogle マップで調べてもらった
時間はもう5時を過ぎていて今からスレイマニヤに戻るのはきついので、甘えついでに今晩スタンドの奥でキャンプする許可をもらう

夜勤のスタッフと交代になって仕事を終えたムハンマドはそれから何かと自分のことを世話してくれた
スタンドのシャワールームを使わせて貰いシャワーを浴びた
どこから買ってきたのかわからないがテイクアウト用の発泡スチロールの容器に入った大量のフライドポテトと野菜、それに薄いパンなどをの夕食をご馳走してくれた

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