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コーカサスから中東へのバイク旅行 (その75)

23/10/12   (その1)

ちょっと早めに起床
9時出発
国境のHabur まで20km、すぐに到着した
トラックの出国審査は、長蛇の列だが自家用車用のブースは5,6台並んでいるだけで手続きもスムーズ
30分かからずに出国審査は終了
ただ、パスポートコントロールに受付に際に、周辺で屯している男からパッセンジャーリストを買わなければならなかった
事前に他の旅行者の情報を見ていたはずなのに忘れていた
イラク入国は変わった所が一つあって、入国の際に必要となる書類がある
パッセンジャーリストになるもので、出国する国に1枚、入国するイラクに1枚必要で事前にネットで探してプリントして持って行けばそこに自分の名前とパスポートのナンバーを記入する位で、何の変哲もない書類なのだが、これがないと国境で待ち受けているリスト売りから買わなければいけない
その情報を見たのはずいぶん前だったのですっかりプリントしておくのを忘れていた
仕方なく2枚のパッセンジャーリストを買う
100トルコリラ

イラク側の入国審査も非常にスムーズ
国境の職員たちも、皆フレンドリーで親切だった
パスポートコントロールでたくさん並んでいるイラク人、もしくはトルコ人かよくわからないがどちらにせをクルド人だろう
現地人とは別に外国人である自分は1人だけ特別扱いの別のカウンターでビザを発行してもらう
75USD
ビザ発行を待っている間にフレンドリーに話しかけてくれる国境職員のシーファと出会う
彼は英語が堪能で、この国境から車両を持ち込む手続きについても詳しいようで、その後のカスタムチェックの時までわざわざついてきてくれて手続きを手伝ってくれた
その時にシーファも含め4人の職員と少し話したのだが、彼らから意外な情報を得るがその前に今、現在のイラクのビザに関することについて説明しなければならない

現在のイラクは、政治的な問題で国の体制がはっきり定まっていない状況がいまだに続いている
1990年の湾岸戦争から始まって2度の戦争を経てアメリカ主導で民主主義国家に強制的に生まれ変わらせられる
その過程でアラブ諸国の民主主義革命の波、ISISの台頭、隣国のシリア内戦と30年以上内戦が続いていたような不安定な国内情勢の中、イラク国内は湾岸戦争でのアメリカに協力したお陰で、自治権を獲得したクルディスタン自治州が生まれた
と言うわけで、1つの国の中に2つの役所がそれぞれの国境で入出国管理をしている状況になっている
そしてややこしいのは、連邦イラク発行のビザはイラク全土で有効なのに対し、クルディスタンイラクのビザはクルディスタン自治区内のみで有効と言うことになっている

自分は今トルコ側からイラク-クルディスタンのビザを発行して貰い入国するのだが、そこから南のイラク連邦を旅行するには、イラク連邦のビザが必要になる
そしてイラク連邦のビザの発給できるのは空港に到着した時かもしくはイラン、クウェート、サウジアラビア、ヨルダンの陸路国境だけでクルディスタン自治州とイラク連邦の州境ではビザは作れない
なので、バイクやキャンピングカーで旅行をする旅行者がトルコ側から入国する際に、車両を手続きをしないで国境に置いておいたまま自分だけ入国手続きをして国境からクルディスタン自治州の中心都市のアルビルに移動
そこから空路でバクダットに移動して空港でイラク連邦ビザを取得、車両持ち込みの手続きを済ませる
それからまたトルコ国境まで戻り旅行を続けると言うちょっとややこしい方法を使って、ヨーロッパ系の旅行者は旅行をしている

、、、と言う方法が一番確実な方法なのだがそれを済ませるためには、かなりの労力が必要だ
国境から最寄りの町Zakho、アルビル、そして空港
来たばかりで、慣れない国でそれぞれの場所への移動しなければいけない
移動にはタクシーかバスを使い、その合間にSIMカードを手に入れて、ネットでフライトチケットを予約
乗り継ぎがうまくいったとしても、1日で済ませられるわけもなく、最短3日コースぐらいかな
リッチな旅行者で、移動はタクシー宿が目についたホテルの値段を気にせずに、泊まれる人ならば、それほど大した苦労もないだろうが、こちらは爪に火をともす貧乏旅行者
宿探しもしなければいけないし、それらの手間を全部考えるとめまいがする

と言うわけで以上で説明した方法で、自分も旅行をするつもりで入国したのだが、シーファ達が言うにはわざわざバクダットまで連邦ビザを取得しに行く必要はないと言う
クルディスタンのビザだけで、イラク全土どこへでも旅行できると言うのだ
何度も本当か確認したが、彼ら全員が自信有り気に大丈夫だと主張している
本当だとしたら、嬉しい情報だ
そういう話であるならば、国境に車両を置いて行く必要は無くクルディスタンビザで旅行を続けるかもし気が変わったとしても、アルビルまで直接乗り付けられることで国境まで戻る必要もない
連邦イラクのビザを取るための大変な手間が半分以上はしょることが出来る
超グッドニュース
カスタムでの審査も終わったで、シーファ達と別れ、その先の車両持ち込みの登録及び料金の支払い
35USD
イラク側の入国手続きも1時間ほどで終わった

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