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愛はスピード

知ってる?
1990年代のJ-POPって大体5分くらいあったらしいよ。
マジ?長くね?

Y2Kとか平成レトロとか言ってる割にはこういうことなんだよ結局って思っちゃう瞬間が猛烈にダルい。

インスタントが主流でTikTokでサビが流れることが大切な昨今求められるのは3分くらいのやはりインスタントラーメンができあがる程度の時間しか待てない長さの音楽で長過ぎると最後まで聞いてもらえない。

早漏かよ。

でもどんな音楽も当たり前に良ければその限りではないし、METAMUSEの「ハッピーエンド延長戦」は丁度6:00だけれど飽きることなく愛されていると思う。
明確なメッセージとめんどうややこしい人間の心情、サウンドのファンキーでポップでキャッチーなところ。
隙のない音楽には情報量が多いので飽きている場合ではない

詰め込んだうえで長さを感じさせない、というのはこれからも変わらないものとして遺ってほしいと願うばかりだ。

何度も聴いて咀嚼して意味を考える時間は長い方が良いし音楽を愛せる時間も長くて深い、深度のある音楽はいつの時代も流行り廃りではなくひとのこころを動かすのだから

TikTok早漏ミュージックにはないものをわたしは永遠に探している。

(誤解なきよう書き添えておくが、短い曲イコールそうではないということは言っておきたい、らぶぴの3:33もnewsjeansのE.Pが(E.Pなのに!)6曲12:10であってもバリバリに素敵であり3分でも当たり前に良いものは良いということは大大大前提)

さらに云うならばとどくスピードははやいほうがいい
できれば光の速さくらいで脳髄に刺さるのが好き
わたしの脳味噌をぶち抜いてくれよ

ここでひとつの音楽について記しておきたい
MAPAというアイドルの「Summer Shooter」

5:39の奇跡と軌跡
この曲は聴いた瞬間に光の速さよりはやく宇宙の何かしらくらい速い見えないスピードでわたしの脳天をぶち抜き溶かした
そのスピードが気持ち良すぎて、エモいとか泣いたとかで絶対に消費したくねえなと瞬時に胸に閉まった感情それは恋だったし大切すぎるから愛でもあった
もしかしたら詞曲が大森靖子で歌唱がMAPAであることは抜きにしてもきっとそうだったかもしれないとさえ思えるほどの

「夏を 撃ち殺しに行こう」なんて言ってくれたひとなど人生にはいなかった
グッバイサマー的な夏の終わりは切なくて〜みたいな儚さ()みたいな線香花火は夏のエモさの極み!みたいなものにはいくらでも出逢ってきた気がするけれど
線香花火じゃ切なさすら火力不足だと言ってくれたひとはいないし実際想えばそれはそうなんだよな

夏の恋に夢を見過ぎなひとたちへ

絶対行こうな 夏の果て 水着より晒して
もっと もっと 恥ずかしいとこを愛して
マッチングアプリじゃ わからない
生きる癖があって
もっと もっと わたしをわからなくなれよ
何もない この夏を 撃ち殺して
SUMMER SHOOTER

絶対行こうな 夏の果て 何もかも照らして
もっと もっと 特別な秘密溶かして
線香花火じゃ せつなさも
火力不足だから
もっと もっと わたしを暴走させてくれよ
何もない この夏を 撃ち殺して
SUMMER SHOOTER

詞:大森靖子

MAPA:Summer Shooter

これって最高の夏へのラブレターだと思っている

夏が嫌いキモい無理!という感情、夏をぶち殺したい!という感情のさきにあるのは「絶対行こうな夏の果て」夏果てというぐしゃぐしゃでボロボロのそれでも良かったって言えるような夏の終わりのことだよ
なにもないこの夏を撃ち殺して。

わたしのことをわからなくなれよ、というわかってほしいわかんないよねにも通づる
わからなくなれよ⇒いや、多少わかれよ
みたいなところがいつも好きでわたしはこのわたしのことをわからなくなったりわかられてたまるか、でもきみだけは見透かしてくれよなという
特別な秘密を溶かし合いたい「誰か」をきっといつも探しているから人生は愛のキャパのばかデカさとスピード感で生き急ぐ

この夏は違うって思わせてくれる何かが欲しい
君は もしかして そうかな なのかな
君は 普通じゃ ないよね まさかね?

わたしにもいるはずだからきっとそれはどこかに
まさかね?

脳味噌が沸騰して耳から出てきそうな毎日の中で何か怪談を探すようなそれはもうひんやりとした気持ちの悪いそれでいてベタつくような人間の性のことを日々思うのだけれど(人間ってキモいよね生きてるから)
その中でこの曲をふいに流すとダサいことにとらわれてる暇はないなと思う

「他人の恋愛は陳腐だけどわたしたちの関係性(恋愛)だけは崇高だ」というのは傲慢だよ

わたしの地獄、あなたの地獄
ひとにはひとの数だけ地獄はあるのだしそれを踏まえて生きられる人間でいつだって在りたいがためにやっぱり命は使い尽くすものだと日々思うから擦り切れるまでやり尽くしたい

ひとを呪わば穴2つだし
呪詛や生霊を飛ばすなら呪詛返しにあう覚悟がないとしてはならないと思うしそういう気持ちでわたしはいつも誰かに飛ばされたり返したりしてるからきっと疲れやすいけれど、知らんひとの呪いも知らんひとの生霊もこの夏だけはもっと大切にしたいと思った

わたしの愛のスピードは誰よりもはやいんだし愛をするのが誰よりもうまいんだからはやく、はやくわたしが振り返るその前に銃口を顳顬に当ててくれよ
そんな夏を探している それだけのこと

ごた御託を並べましたが言いたいことは「Summer Shooter」を聴いてくれ、ということだけだったりするんだよな

満月のよるに
夏の恋に夢を見過ぎなひとたちへ
愛を込めて ふぁっきゅん

𝓜𝓐𝓓 𝓟𝓐𝓡𝓣𝓨 𝓣𝓞𝓚𝓨𝓞

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