読書日記40「生協の白石さん」ー白石昌則

お仕事小説が読みたいと思っていたところ評価が高いこの本がおすすめされたので読むことにした。読んでからお仕事小説ではないことに気がついた。実際は大学生協の一言カードに対する回答を集めた本だった。最近本の内容を勘違いして購入することが増えたが、自分では選ばなかった本との出会いにつながり良かったと思うことが多い。この本もその1つだ。

一言カードに記載される内容は以下の2つに分けられる。
①大学生協に対する要望
②大学生協に関係の内容

①には主に商品の入荷希望などだ。これに対しては、なぜ仕入れられるのかあるいは仕入れられないのかが回答されている。物を扱う仕事を経験したことがない自分にとってあまり馴染みのない内容で面白かった。自分の大学時代生協の品揃えは結構学生のニーズを捉えているなあと漠然と思っていたのだが、母校も学生の要望を取り入れていたのかもしれないと思った。また、出資金を無駄には出来ないという白石さんの思いを知り、自分の大学生活を同じような方たちが支えてくれていたのかもしれないと感じた。

②は恋愛相談から単位を売ってくださいなど内容は多岐にわたる。白石さんのユーモアが交えた回答が面白かった。また、どのような質問に対しても一旦受け止めるという姿勢があったからか暖かい気持ちになった。白石さんのようにユーモアのある回答はできなくても1度受け止めることは自分も心がけたいと思った。

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