読書日記125「その扉をたたく音」-瀬尾まいこ

難しめの本を読んだあと、ほっこり系の作品を読みたくなり、この本を手に取った。

大学卒業後、就職することなく音楽をしながら仕送りで生活していた男性が老人ホームの人々と交流する物語だ。

主人公の素直さに読んでいてスッキリした気持ちになった。入居者に頼まれた買い物に文句を言いながらも行き、相手の喜ぶことを考えながら商品を選ぶ、初対面の人の演奏が素敵だと思ったらそれをすぐに伝え、自分と音楽をやろうと声をかける。そういったことをあまり考えこむことなく出来るところが素敵だと思った。でも、本人はその素直さという才能に気づいていない。

「素直さ」という自分に足りていないものの重要性を改めて感じたことで寂しいながらもすっきりした気持ちになった。

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